TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

せん断剛性

井澤ですいざわ

■問題
地震動が作用している軟弱な地盤においては、地盤のせん断ひずみが大きくなるほど、地盤の減衰定数は低下し、せん断剛性は増大する。(一級構造:平成19No.

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■解答
 問題 誤。減衰定数は増大し、せん断剛性は低下する。
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地盤の破壊は、主にせん断破壊です。つまり地盤が「ズレる」「滑る」のです。地盤が圧縮破壊されるようなことはまずありません。

■せん断剛性
せん断剛性とは、せん断変形するときの硬さです。
地震動で地盤のせん断ひずみが大きくなり、地盤のせん断破壊が進むと、地盤は耐力を失い柔らかくなっていきます。
したがって、地盤のせん断ひずみが大きくなると、せん断剛性は低下します。

■減衰定数
減衰とは、振動が時間とともに小さくなることです。
地震動で地盤のせん断ひずみが大きくなるということは、「せん断変形が残る」ということです。
変形と減衰の関係は、次のとおりです。
「変形が残る」 → 「地震エネルギーが変形に費やされる」 → 「地震エネルギーが早く減衰する」
したがって、地盤のせん断ひずみが大きくなると、減衰定数は増大します。

――ポイント:地盤のせん断剛性と減衰定数――
地震動で地盤のせん断ひずみが大きくなると
■せん断剛性 → 低下する。
■減衰定数  → 増大する。
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井澤ですいざわ

■問題1
開口部を有する鉄筋コンクリート造の壁部材において、開口周比が0.4以下であるものは、開口のある耐力壁とみなす。(一級構造:平成21No.11
■問題2
鉄筋コンクリート構造の許容応力度計算において、開口部を設けた耐力壁について、剛性及び耐力の低減を考慮して構造計算を行った。(一級構造:平成23No.14
■問題3
開口部を設けた鉄筋コンクリート造の耐力壁について、開口周比r00.4以下であることから無開口耐力壁のせん断剛性及びせん断耐力に、開口周比r0を乗じて低減を行った。(一級構造:平成20No.12
■問題4
開口を有する鉄筋コンクリート造の耐力壁の耐力計算において、開口面積の影響を考慮したので、開口部の幅及び高さの影響を無視した。(一級構造:平成22No.24改)

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■解答
■問題1 正。
■問題2 正。
■問題3 誤。無開口耐力壁のせん断剛性及びせん断耐力を低減するが、開口周比r0を乗じて低減するのではない。
■問題4 誤。せん断耐力について、開口周比により開口面積の影響を考慮するが、それだけではなく、開口部の幅及び高さも考慮する。
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開口周比
0は、(開口面積/耐力壁の面積)の平方根です。
開口周比は、開口部を設けた壁を耐力壁として扱えるかどうかの判断基準です。

―――――――――ポイント―――――――――
開口周比が0.4以下の場合は、耐力壁として扱える。(問題1)
単純に考えれば、開口部が耐力壁の縦横0.4倍以下の小さい開口部であれば、耐力壁として扱える。
ただし、耐力壁として扱える場合であっても、開口部があることにより、無開口の耐力壁と比べてせん断剛性、せん断耐力ともに低下するので、次式の低減率により低減する。(問題2)
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せん断剛性の低減率せん断耐力の低減率ともに、開口周比
0が影響する。
せん断耐力の低減率は、開口周比0、開口部の幅の比、高さの比の3つのうちの最大値(max)が影響する。(問題3、4)

開口周比が0.4を超える場合は、耐力壁として扱えない
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