井澤ですいざわ

■問題1 スケルトン・インフィル住宅は、建築物の躯体や共用設備部分と、住戸専有部分の内装や設備とを分けることによって、耐久性、更新性及び可変性を高めることができる方式の集合住宅である。
(二級計画:平成22No.12

■問題2 インフィルハウジングは、クリアランス型の再開発の反省から考えられたもので、地域社会の継承等を原則として、既成市街地の街区更新を行う手法である。
(一級計画:平成16No.24

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■解答
 問題1 正
 問題2 正

問題1と2は、もちろん「インフィル」つながりです。
インフィルとは「挿入」という意味です。
スケルトン・インフィルも、インフィルハウジングも、どちらも同じ意味でこの「インフィル」を使っていますが、スケルトン・インフィルは集合住宅の用語、インフィルハウジングは市街地再開発の用語です。

――――――――――ポイント――――――――――
■スケルトン・インフィル
 集合住宅において、構造躯体(スケルトン)の中に、住戸内の内装(インフィル)を挿入(インフィル)する工法。

■インフィルハウジング
 市街地再開発において、既成の市街地の中に、街区程度の小規模な開発を少しずつ挿入(インフィル)していく手法。
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<インフィルハウジングについての詳しい解説>
 インフィルハウジングは、クリアランス型(既成市街地の一掃、一斉取壊し)の再開発の反省から考えられたものです。
 地域社会の継承等を原則として、建替える部分が街並みの一部になることを考慮しながら、街区(四方を道路で囲まれた範囲)程度の小規模な開発を少しずつ挿入(インフィル)して街区更新を行う、修復型改善型の都市計画手法です。
 街並みのパターンと調和するファサード(正面)としたり、地域固有の材料、デザイン要素を使ったりする等の手法があります。
 インフィルハウジングにおいて、「ハウジング(集合住宅)」という単語を使っているのは、市街地再開発の中心が集合住宅だからです。

スケルトン・インフィルについては、№
124(2014/12/10)も参照してください。