井澤です
学科試験に合格された方、本当におめでとうございます。今年は特に狭き門でしたので喜びもひとしおのことと思います。
残念だった方、この悔しさを忘れずに、少しずつ一歩ずつでも良いので来年に向けて歩み始めましょう。このブログがそのきっかけになれば幸いです。
■問題1
鉄骨鉄筋コンクリート構造において、柱梁接合部における帯筋は、一般に、鉄骨梁ウェブを貫通させて配筋する。(一級構造:平成18年No.14)
■問題2
鉄骨鉄筋コンクリート構造の柱・梁接合部において、梁の主筋が柱の鉄骨フランジに当たったので、貫通孔をあけて鉄筋を通した。(一級構造:平成5年No.14)
――――――――――――――――――――――
■解答
問題1 正。
問題2 誤。鉄骨フランジに貫通孔を設けるのは不可。
――――――――――――――――――――――
さっそくポイントです。
―――ポイント:SRC造の鉄筋貫通孔――――
■鉄骨ウェブに鉄筋貫通孔を設けるのは「可」
■鉄骨フランジに鉄筋貫通孔を設けるのは「不可」
――――――――――――――――――――――
■ウェブについて
鉄骨ウェブはせん断力を負担します。
せん断耐力は、曲げ降伏先行のために余裕を持たせているため、影響のない範囲で鉄筋貫通孔が許容されています。
鉄骨梁のウェブにダクト貫通孔が設けられているのを見たことがある人も多いと思います。このようにウェブへの孔あけは許容されているのです。
■フランジについて
鉄骨フランジは曲げモーメントを負担します。
その断面欠損は、全塑性モーメントの低下に直結します。
――――――――――――――――――――
関連する内容として、No.359(曲げモーメント負担・せん断力負担)もぜひ参照してください。
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/48248069.html
ウェブ
井澤式 建築士試験 比較暗記法 No.359(曲げモーメント負担・せん断力負担)
井澤です
■問題
鉄骨構造において、梁の継手は、せん断力をフランジ継手が負担し、曲げモーメントをウェブ継手が負担するものとして設計した。(一級構造:平成15年No.16)
――――――――――――――――――――――
■解答 誤。
せん断力はウェブ、曲げモーメントはフランジが負担する。継手もしかり。
――――――――――――――――――――――
S造とRC造を比較整理して次表にまとめましたので、次表をじっくり見てください。
■曲げモーメント
曲げ応力度は、圧縮縁、引張縁が最も大きくなりますので、圧縮縁、引張縁の近くにある「RC造の主筋」、「S造のフランジ」が負担します。
■せん断力
せん断力は、正負どちらにも耐えるために、部材の軸に直角に設けた部材が負担します。また、曲げを伴うせん断応力度は次図のような分布になりますので、部材の中立軸の近くにある「RC造のせん断補強筋(梁はあばら筋、柱は帯筋)」、「S造のウェブ」が負担します。
■フランジとウェブ、どっちがどっちだか間違えてしまう人へ
H形鋼の梁において、横がフランジ。縦がウェブです。
表中に書いたように、
フランジの一画目は横に書きますので、横がフランジ。
ウェブの一画目は縦に書きますので、縦がウェブ。