TAC建築士講師室ブログ

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シート防水

井澤ですいざわ

■問題1
アスファルト防水工事において、平場のアスファルトルーフィング類の張付けの重ね幅については、長手及び幅方向とも、100㎜程度とした。(一級施工:平成22No.16
■問題2
改質アスファルトシート防水工事において、一般平場部の改質アスファルトシート相互の重ね幅については、長手方向及び幅方向とも100㎜以上とした。(一級施工:平成19No.15
■問題3
シート防水工事において、ルーフィングシートの平場の接合幅については、塩化ビニル樹脂系シートを使用する場合、長手方向及び幅方向を、それぞれ40㎜とした。(一級施工:平成18No.15
■問題4
塗膜防水工事において、防水材塗継ぎの重ね幅を50㎜とし、補強布の重ね幅を100㎜とした。(一級施工:平成27No.16
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■解答
 問題1、2、3 正。問題3は前回№309の復習です。
 問題4 誤。正しくは、補強布の重ね幅は50mm以上、防水材の重ね幅は100mm以上とします。
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防水層の重ね幅について、次表で比較整理して覚えましょう。

ポイント:防水層の重ね幅 

防水工事の種類

重ね幅

アスファルト防水
アスファルトルーフィングの重ね幅

100㎜以上

改質アスファルトシート防水
シートの重ね幅

100㎜以上

シート防水
(合成高分子系)

加硫ゴム系シートの重ね幅

100㎜以上

塩化ビニル樹脂系シートの重ね幅

40㎜以上
(熱融着)

ウレタンゴム
塗膜防水

 

補強布の重ね幅

50㎜以上
(副材)

防水材の塗継ぎの重ね幅

100㎜以上
(主材)


考え方

1.基本は
100mm以上。
2.
例外は次の2つ。
 ①シート防水の塩化ビニル樹脂系シートの重ね幅は40mm以上。
  →熱融着でしっかり接合されるから。(№309参照)
 ②ウレタンゴム系塗膜防水の補強布の重ね幅は50mm以上。
  →防水材(主材)ではなく、補強のための副材(メッシュシート)だから。

井澤ですいざわ

■問題1
シート防水工事において、ルーフィングシートの平場の接合幅については、塩化ビニル樹脂系シートを使用する場合、長手方向及び幅方向を、それぞれ40㎜とした。(一級施工:平成18No.15
■問題2
シート防水工事において、合成樹脂系シートを用いた接着工法については、立上り部及び平場のシート張付けに先立ち、出隅角及び入隅角に成形役物を張り付けた。(一級施工:平成26No.16
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■解答
 問題1 正。
 問題2 誤。合成樹脂系シートの出隅・入隅の成形役物は、ルーフィングシートの施工後に張り付けます。
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単に「シート防水」と言ったら、合成高分子系シート防水を指し、加硫ゴム系シートと合成樹脂系シートに分類できます。
アスファルトシート防水、改質アスファルトシート防水、ステンレスシート防水とは異なります。
また、加硫ゴムとは、天然ゴムに硫黄を加えて弾力を持たせた一般的なゴムです。

ポイント

 

出隅・入隅の増張り

シートの重ね幅

加硫ゴム系シート

ルーフィングシートの施工に、増張り用シートを張付け

100mm以上

合成樹脂系シート(塩化ビニル樹脂系シート)

ルーフィングシートの施工に、成形役物を張付け

40mm以上

mashibari

sheet waterproofing

(1)出隅・入隅の増張り(補強)について
加硫ゴム系シートは、ゴムは接着剤でしっかり接着できず、部分的な後張りでは剥がれやすいので、先に増張り用シートを張付け、上からルーフィングシートを張り付けます。
合成樹脂系シートは、成形役物(やくもの)を接着剤でしっかり接着できますので、ルーフィングシートの施工後に行います。

(2)シートの重ね幅について
加硫ゴム系シートは、防水の一般的な重ね幅である100mm以上。
合成樹脂系シートは、接合部を熱で溶かして溶着させたりしてしっかり接合されるので重ね幅は40mm以上。

井澤ですいざわ

■問題1
改質アスファルトシート防水工事において、防水層の下地の入隅については直角とし、出隅については45度の面取りとした。(一級施工:平成18No.15
■問題2
シート防水工事において、防水層の下地の入隅については直角とし、出隅については45度の面取りとした。(一級施工:平成25年No.16)
■問題3
ウレタンゴム系塗膜防水工事において、防水層の下地については、入隅を丸面に仕上げ、出隅を通りよく直角に仕上げた。(一級施工:平成18年No.15)
■問題4
アスファルト防水工事において、防水下地の入隅及び出隅については、通りよく45度の面取りとした。(一級施工:平成27年No.16)

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■解答
 問題1、2、4 正。
 問題3 誤。
アスファルト防水「以外」では、入隅は直角、出隅は面取り。
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ポイント:防水下地の形状
waterproofing
【考え方】
■入隅は、基本的に直角で良いが、アスファルト防水だけは、厚いルーフィングの積層構造であり、直角加工が難しいため、下地との密着性を考慮し、下地を面取りとする。
■出隅は、直角だとバリ等で防水層を傷つけやすいため、面取りとする。

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