井澤です
■問題
柱にH形断面材を用いる場合、強軸方向をラーメン構造、弱軸方向をブレース構造とすることが多い。(一級構造:平成27年No.15)
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■解答 正
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この設問のポイントは、強軸方向とはどっちか、です。
とても間違いやすいので、注意が必要です。
次図のとおり、「強軸方向」とは「強軸まわりに曲げを受ける方向」をいいます。
つまり、強軸と強軸方向は方向が違うのです!!!
用語として適切なのか、はなはだ疑問を感じますが、各種技術書ではそのように使われています。
「強軸方向」と「弱軸方向」の意味が正しく理解できれば、次図のとおり、曲げ変形しやすい弱軸方向をブレース構造として、変形しにくくすることが分かると思います。
ポイント:H形鋼の強軸方向と弱軸方向の架構形式
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■強軸方向 → ラーメン構造
■弱軸方向 → ブレース構造
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参考として、弱軸方向にブレースを取り付ける際のディテールも添付します。
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なお、「架構形式」という用語は、一級建築士設計製図試験の「計画の要点等」の記述の設問の中にも出てくる用語です。
「建築物に採用した構造種別、架構形式及びスパン割りとこれらを採用した理由」を記述する、という設問です。
架構とはフレームすなわち骨組をいい、その形式には、
ラーメン架構(剛節架構)、耐力壁付ラーメン架構、トラス架構、ブレース架構などがあります。
すべて、「架構」の代わりに「構造」を使うこともあります。「ラーメン構造」「ブレース構造」などです。
ポイント:構造種別と架構形式
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■構造種別
鉄筋コンクリート構造、鉄骨構造など
■架構形式
ラーメン架構、耐力壁付ラーメン架構、トラス架構など
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