TAC建築士講師室ブログ

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プラスティシティー

井澤ですいざわ
今回のテーマは、言われないとなかなか気づかない、プラスティシティーとプラスチック収縮ひび割れという一見すると全く別々の用語を関連付けて覚える、比較暗記法の真骨頂です。
問題1は、前回の復習です。

■問題1
プラスティシティーとは、容易に型枠に詰めることができ、型枠を取り去るとゆっくり形を変えるが、崩れたり、材料が分離することのないようなフレッシュコンクリートの性質をいう。(一級施工:平成20No.24
■問題2
コンクリートの打込み後において、プラスチック収縮ひび割れが発生したので、コンクリートの凝結終了前に、速やかにタンピングにより処置した。(一級施工:平成24No.11

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■解答
 問題1、2ともに正
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問題1の「プラスティシティー」の語源は、プラスチックです。
もちろん、コンクリートの話ですから、プラモデルのプラスチックそのものではありませんが、語源は同じです。
その意味は、可塑性すなわち変形しやすい性質、という意味です。
構造で学ぶ「塑性」とまったく同じ意味です。部材などに外力を作用させたときに生じる変形が、外力を取り除いた後にもとの状態に完全にもどらない性質、つまり変形が残る性質です。

あらためて問題1です。
プラスティシティーは「変形しやすい性質」ですから、容易に型枠に詰めることができる、すなわち容易に型枠の隅々までコンクリートが行き渡る性質です。

問題2
プラスチック収縮ひび割れは、コンクリートが固まる前の「プラスチックな状態、すなわち、可塑性のある、変形しやすい状態において、直射日光や風による水分の蒸発によりコンクリート表面が急激に乾燥することよって生じるひび割れです。
これが発生した場合には、コンクリートの凝結が終了する前に、表面のタンピング等により処置する必要があります。

―――――――――ポイント―――――――――
■プラスティシティー
「変形しやすい性質」→ 容易に型枠に詰めることができる性質
プラスチック収縮ひび割れ
「変形しやすい状態」すなわちコンクリートが固まる前の収縮ひび割れ
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井澤ですいざわ

■問題1
ワーカビリティーとは、主として水量によって左右されるまだ固まらないモルタル又はコンクリートの流動性の程度をいう。(一級施工:平成2年No.22
■問題2
プラスティシティーとは、容易に型枠に詰めることができ、型枠を取り去るとゆっくり形を変えるが、崩れたり、材料が分離することのないようなフレッシュコンクリートの性質をいう。(一級施工:平成20No.24

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■解答
問題1 誤。設問はコンシステンシーの説明です。
問題2 正。
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―――ポイント:フレッシュコンクリートの性質―――

■ワーカビリティー
 打込み、締固め、仕上げ等の作業が容易にできる程度。コンクリートの打ち込みやすさ、作業性の程度

■コンシステンシー
 主として水量で決まる流動性の程度
 コンシステンシーはスランプで評価する。

■プラスティシティー
 容易に型枠に詰めることができ、型枠を取り去るとゆっくり形を変えるが、崩れたり、分離したりしない流動性の程度

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きっとまだモヤモヤしていることと思います。次のような疑問を感じるのではないでしょうか?
1.コンシステンシーの説明で「水量で決まる流動性の程度」とあるが、「水量で決まる流動性の程度」が良いならば、ワーカビリティも良いのではないか?
2.プラスティシティーの説明で「容易に型枠に詰めることができる」とあるが、「容易に型枠に詰めることができる」のならば作業性が良いのだから、ワーカビリティーも良いのではないか?

実はまさにその通りなのです。
ワーカビリティー(作業性の程度)は広い意味をもつ概念で、流動性、材料の分離のしにくさ、締め固めのしやすさ等々、いろいろな要素がからんでいて、その要素の中の一つに、コンシステンシーとプラスティシティーがあるのです。
つまり、
・コンシステンシーが良ければ、ワーカビリティーが良いのです。
・また、プラスティシティーが良ければ、ワーカビリティーが良いのです。

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