井澤です![]()
■問題
必要保有水平耐力Qunは、建築物の一次固有周期を長くすると小さくなる。(一級構造:平成26年No.24改)
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■解答 正
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はじめに、この設問は、
「 保有水平耐力 ≧ 必要保有水平耐力 」
における右辺の「必要保有水平耐力」についての設問だということを見極めましょう。
「必要保有水平耐力」は、文字通り「保有水平耐力」として最低「必要」な値です。
■「必要保有水平耐力」の具体的な算出方法は?
(必要保有水平耐力Qun)=(構造特性係数Ds)×(形状係数Fes)×(C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud)
このDs、Fes、Qudの中でベースとなるのはQudです。
DsとFesは、それを補正するものです。
今回は、ベースとなる「C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud」について扱います。
とは言っても、それはすでに№320から№325で学習した内容になります。
―――――――――ポイント―――――――――
「C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud」とは
Qud=(Z・Rt・Ai・C0)×Wi
の式でC0=1.0とした値。
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あらためてもう一度設問を確認しましょう。
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■問題
必要保有水平耐力Qunは、建築物の一次固有周期を長くすると小さくなる。(正)
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この問題は、必要保有水平耐力Qunというよりは、Qud=(Z・Rt・Ai・C0)×Wiの知識を問われているのです。
№323、No.325で学習したように、
建築物の一次固有周期が長くなるほど、地盤の固有周期との差が大きくなり、共振が生じにくくなり、振動特性係数Rtは小さくなります。
→ したがって、「C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud」が小さくなります。
→ したがって、「必要保有水平耐力Qun」が小さくなります。
―――――――考え方のポイント―――――――
一次固有周期が長
→ 振動特性係数Rtが小
→ C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qudが小
→ 必要保有水平耐力Qunが小
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――補足:「Q・u・n・d」の記号の意味―――
・必要保有水平耐力Qun
・C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud
の英字の意味は次のとおりです。「Q」と「u」は共通です。
「Q」はせん断力のQ(ドイツ語Querkraft)
「u」はultimate(終局) ※保有水平耐力は水平方向の終局耐力です。
「n」はnecessary(必要)
「d」はdesign(設計用) ※Qud=(Z・Rt・Ai・C0)×Wiは、実際に生じる地震層せん断力ではなく、あくまで「設計用」の地震層せん断力です。
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