井澤です
■問題1
構造体の計画供用期間の級が「標準」の場合の建築物において、梁側のせき板のコンクリートの圧縮強度による存置期間は、コンクリートの圧縮強度が5N/㎟以上に達したことが確認されるまでとした。(一級施工:平成19年No.10)
■問題2
高強度コンクリートにおいて、コンクリートの圧縮強度が8N/㎟以上に達したことを確認したので、梁側のせき板を取り外した。(一級施工:平成20年No.9)
■問題3
プレキャストの耐力壁の部材コンクリートの脱型時所要強度は、脱型時にベッドを70~80度まで立て起こしてから吊り上げる場合、10N/㎟とした。(一級施工:平成18年No.20)
■問題4
プレキャスト部材の脱型時所要強度については、脱型時にベッドを傾斜させないで部材だけを片側から立て起こす計画としたので、12N/㎟とした。(一級施工:平成26年No.12)
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■解答
問題1、3、4 正。
問題2 誤。高強度コンクリートの梁側のせき板は、10N/㎟以上が確認されれば取り外すことができる。
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――ポイント:梁側のせき板(垂直部材)の圧縮強度による存置期間――
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計画供用期間の級 |
圧縮強度 |
普通 |
短期・標準 |
5N/㎟以上 |
長期・超長期 |
10N/㎟以上 |
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高強度コンクリート |
10N/㎟以上 |
※「梁側(はりがわ)のせき板」とは、梁の側面のせき板です。
――ポイント:プレキャスト脱型時の所要強度――
脱型方法 |
脱型時の所要強度 |
ベッドを傾斜させない場合 |
12N/㎟以上 |
ベッドを70~80°まで立てる場合 |
8~10N/㎟程度 |
コンクリートの圧縮強度の数値については、設計基準強度の一般的な値である24N/㎟と比較して考えましょう。
■供試体の養生方法
上表のような若材齢時(打設後の日が浅く、強度がまだ小さい時)の圧縮強度試験に用いる供試体には標準養生は使えません。
水和熱で温度上昇中の「若材齢時の強度」と、約20℃に温度調整された「標準養生の強度」との相関性が低いためです。したがって、現場養生(現場水中養生・現場封かん養生)とします。
また、プレキャストは加熱養生を行うので、供試体も同一の加熱養生とします。
「供試体の養生方法」については、No.294(2016年3月20日)もぜひ参照してください。