2月の中旬になり、設計製図対策にもたくさんのお申込みをいただいております。
TACでは設計製図対策において、個別指導があるため定員制としております。
定員となった場合には急きょ締め切る場合もありますので、ご注意ください
3月22日(日)11:00~/八重洲校
4月4日(土)14:00~/梅田校
4月11日(土)11:00~/横浜校
【特典】TAC入会金(10,000円)免除券
強引な勧誘はありませんので、お気軽にご参照ください
TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。
井澤です。
一級建築士設計製図試験に合格された皆様、誠におめでとうございます。
さっそくですが、合格発表を受けての講評です。
1.ランクの割合について
合格率36.6%という新試験制度以降最低の合格率となりましたが、学科試験の合格率が22.8%と高かったことも影響していると考えられます。
驚くのは、ランクⅡが3.0%、ランクⅢが29.2%、ランクⅣが31.3%という内訳です。
(1)設計条件・要求図面等に対する重大な不適合
下記の「合格基準等について」をご覧ください。
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-gokaku201912.files/1k-seizu-gokakuhappyo-2019.pdf
採点ポイント(5)⑥において「PS・DS・EPS」が明記され、それらが計画されていないものは、それだけでランクⅣに該当したおそれがあります。
⑦の「法令の重大な不適合等」については、次の(2)に大きく関連します。
(2)受験者の答案の解答状況
上記「合格基準等について」の「採点結果の区分(成績)」「受験者の答案の解答状況」には次のとおり記載されています。
――――――――――――――――――――
ランクⅢ及びランクⅣに該当するものが多く、具体的には以下のようなものを挙げることができる。
・設計条件に関する基礎的な不適合:
「要求されている室の欠落」や「要求されている主要な室等の床面積の不適合」
・法令への重大な不適合:
「延焼のおそれのある部分の位置(延焼ライン)と防火設備の設置」、「防火区画(特に吹抜け部の1階部分の区画)」や「直通階段に至る重複区間の長さ」等
・その他建築計画に基本的な問題があるもの:「吹抜けの計画(吹抜けとなっていないもの)」等
――――――――――――――――――――
①上記の「要求されている主要な室等の床面積の不適合」について
・多目的展示室の200㎡「以上」、創作アトリエの計150㎡「以上」、アトリエA・B、C・Dの「各」約50㎡、「各」約25㎡、屋上庭園の150㎡「以上」などに反した場合には、ランクⅢ、Ⅳという厳しい評価を受けたと考えられます。
・なお、標準解答例②では、多目的展示室の東側壁面を柱心からずらして200㎡を確保しています。
・また、標準解答例①、②では、荷解き室、ポンプ室については、要求面積の10%超が見られます。
②上記の「法令への重大な不適合」について
延焼ライン、防火設備、防火区画、重複区間についてのミスが、ランクⅢ、Ⅳという厳しい評価につながったと考えられます。
2.標準解答例について
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2019-2nd-hyojunkaito.pdf
(1)標準解答例①
・多目的展示室の上部に屋上庭園を計画しています。
・展示関連諸室は、1階に多目的展示室と展示室C、2階に展示室AとBが計画されています。
・アトリエ関連諸室は、2階にアトリエA、C、D、準備室、3階に創作アトリエ、アトリエB、講師控室が計画されています。
・展示室C、アトリエC、Dなどは無窓です。
(2)標準解答例②
・多目的展示室の上部に創作アトリエを計画しています。
・メインエントランスを東側に計画しています。
・多目的展示室は、8mスパンを使い、東側壁面を柱心からずらして200㎡を確保しています。
・展示関連諸室は、多目的展示室以外はすべて2階にまとめて計画されています。
・アトリエ関連諸室は、すべて3階にまとめて計画されています。屋上庭園を最小限の150㎡としているため、3階にすべて計画できています。
3.まとめ
近年は設計製図試験の内容と水準について、「建築士が本来身に付けておくべき知識と能力」として、「建築基準法等が定める最低の基準に準拠した図面を作成できる能力」を確かめるものであるということが強調されており、採点上も「法令への適合」の比重が高まったことを強く感じさせる試験となりました。
合格した皆様、心よりお祝い申し上げます。
また、残念な結果に終わった方も捲土重来です。来年はぜひとも合格を掴み取ってください。
TACは全力で受験生の皆様を応援いたします。
(%) |
合格 |
不合格 |
||
ランクⅠ |
ランクⅡ |
ランクⅢ |
ランクⅣ(失格) |
|
令和元年 |
46.3 |
12.5 |
30.1 |
11.1 |
平成30年 |
54.9 |
14.5 |
24.2 |
6.4 |
平成29年 |
53.2 |
15.1 |
25.4 |
6.3 |