TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

品質基準強度

井澤ですいざわ

前回学習した調合管理強度の算定における構造体強度補正値の問題です。

■問題
普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートの調合管理強度を定めるに当たり、特記がなく、コンクリートの打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温が5℃であったので、構造体強度補正値を3N/㎟とした。(一級施工:平成24No.10

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■解答
 誤。予想平均気温が8℃未満の場合、構造体強度補正値は6N/㎟である。
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調合管理強度は「標準養生(
20℃水中養生)の供試体が持つべき強度」です。
調合管理強度は、構造体コンクリートが持つべき品質基準強度に、構造体強度補正値を加えて求めます。

 調合管理強度=品質基準強度+構造体強度補正値

構造体強度補正値は、「標準養生(
20℃水中養生)の供試体」と「構造体コンクリート」との強度の差です。
「標準養生」は理想的な養生なので、実際の構造体コンクリートよりも大きな強度が出ます。

気温が低くなるほど構造体コンクリートは固まりにくくなるので、標準養生との差が大きくなります。
したがって、「調合管理強度」すなわち「標準養生の供試体の強度」は、その差を上乗せした強度でないと、構造体コンクリートの品質基準強度が確保されないのです。

構造体強度補正値は、コンクリートの打込みから材齢
28日までの期間の予想平均気温θによって、次のように値が異なります。

ポイント:構造体強度補正値

 

気温8℃以上

気温0℃以上8℃未満

構造体強度補正値
20℃標準養生と構造体コンクリートとの強度の差)

3N/
(標準養生に近い)

6N/


【例】品質基準強度が
24/㎟の場合
・気温8℃以上のとき、標準養生で27/㎟(調合管理強度27/㎟)ならば、構造体コンクリートが24/㎟(品質基準強度)確保されていると考えられる。
・気温8℃未満のとき、標準養生で30/㎟(調合管理強度30/㎟)ならば、構造体コンクリートが24/㎟(品質基準強度)確保されていると考えられる。 

井澤ですいざわ

前回は、品質基準強度、設計基準強度、耐久設計基準強度を学習しました。
今回は、調合管理強度、調合強度です。

■問題
構造体コンクリート強度の検査において、標準養生による3個の供試体の材齢28日における圧縮強度の平均値がコンクリートの調合管理強度以上であったので、合格とした。(一級施工:平成27No.10

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■解答
 問題 正
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まずいろいろな「強度」の関係を次図で確認してください。
tyougoukyoudo

一言で表現すると次のとおりです。

――――――――ポイント―――――――――――
■品質基準強度
 構造体コンクリートが持つべき強度。
■調合管理強度
 強度管理(チェック)用の標準養生(20℃水中養生)の供試体が持つべき強度。
調合強度
 調合の目標とする強度。
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■問題解説
調合管理強度は「標準養生(20℃水中養生)の供試体が持つべき強度」ですから、設問のように「標準養生の供試体の強度」が「調合管理強度」以上であれば合格です。

■最後に調合強度は、調合の目標とする強度です。
 調合強度=調合管理強度+誤差を考慮した割増し
例えば、調合管理強度で30/㎟が必要ならば、誤差を考慮して、目標を33/㎟などと割増ししないと30/㎟確保できません。

井澤ですいざわ

■問題
普通コンクリートの品質基準強度は、特記のない場合、設計基準強度または耐久設計基準強度のうち、大きい方の値とする。(一級施工:平成17No.11

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■解答 正
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前回は、基準強度と設計基準強度を学習しました。
今回は、品質基準強度、設計基準強度、耐久設計基準強度です。
まず結論を次図で確認してください。

kyoudo


■品質基準強度
品質基準強度とは、構造体コンクリートが持つべき品質としての強度です。
構造体コンクリートとは、構造体=躯体として打ち込まれたコンクリートです。
品質には「強度」と「耐久性」の2つがあります。

■品質のうち「強度」については、前回学習したとおり、設計基準強度を確保しなければなりません。
復習になりますが、設計基準強度とは、コンクリートを何N/㎟の強度と考えて構造設計をしたか、という値であり、施工時、その強度が確保されるようにコンクリートの調合をしなければなりません。

■耐久設計基準強度
品質のうち「耐久性」については、耐久性(年数)を強度に換算した値を用います。それが「耐久設計基準強度」です。
耐久設計基準強度とは、「構造体の計画供用期間の級に応ずる耐久性を確保するために必要とする強度の基準値」です。

具体的には次のとおりです。(表の値自体は試験対策上、重要ではありません。)

計画供用期間の級

供用限界期間

耐久設計基準強度

短期

およそ30

18/

標準

およそ65

24/

長期

およそ100

30/

超長期

およそ200

36/


一般に、強度が高いと、コンクリートが緻密に打ち込まれ、耐久性も向上するので、耐久性を強度に換算するのです。

では問題です
■問題
計画供用期間の級が「長期」で、設計基準強度が24/㎟の建築物において、特記がない場合、コンクリートの品質基準強度はいくつか?(オリジナル)
■解答
計画供用期間の級が「長期」で、およそ100年の耐久性を持たせようとする場合、30/㎟の強度を持たせたコンクリートの緻密さがないとダメ。したがって、強度だけ見れば24/㎟で良いとしても、品質基準強度は30/㎟としなければならない。
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