井澤ですいざわ

前回予告しましたとおり、今回からしばらく、多くの受験生
が苦手意識を持っている、計画の「実例」対策を行っていきます。
一級建築士「計画」では、近年、建築史や都市計画等も含めて「実例」が5問程度出題されています。
出題の記述は「建築設計資料集成(丸善)」に基づいていますから、おのずと、過去問の繰返しが多くなります。


そこで、この「実例」暗記法では、
過去問の確認と、そのポイントがよく現れている写真を掲載しているホームページを紹介させていただこうと思います。
「井澤式」と冠するのはおこがましい気もしますが、お許しください。
毎回、5つ程度ずつ紹介していこうと思います。

著作権に配慮してURLにリンクを貼る形式とさせていただこうと思います。
もしもリンクを貼られるのが不快なサイトオーナー様がいらっしゃいましたら、また、リンクが切れていたりしたら、コメント欄にご連絡いただけると幸いです。

百聞は一見に如かずです。
すごいな、おもしろいなと興味を持てたら「実例」は「勝ち」です。

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正面のない家(N氏邸)(坂倉建築研究所)
■問題1
「正面のない家(N氏邸)」(坂倉建築研究所、1960年)は、敷地全体を壁(塀)によって囲い込み、四つに分かれた庭が各室に採光と広がりを与えているコートハウスである。
(一級計画:平成18年No.9)

■リンク
http://www.sakakura.co.jp/info/works/private-house/2129/
↑設計者のホームページです。「正面のない家-H」です。

■解答 正。
N氏邸は「正面のない家」シリーズの一つです。

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土浦亀城邸(つちうら かめき)(土浦亀城)
■問題1-2
土浦亀城邸(1935年)は、「白い箱」型の外観をもち、内部は居間の吹抜けを中心とし複数の床レベルによって構成されたモダニズムの木造住宅である。
(一級計画:平成24No.12

■リンク
https://jp.toto.com/pages/knowledge/useful/tototsushin/2018_summer/modernhouse/

■解答 正。


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前川自邸(前川國男)
■問題1-3
前川自邸(前川 國男)は、外観は切妻屋根の和風、内部は吹抜けの居間を中心に書斎・寝室等を配した木造住宅である。
(一級計画:平成29No.12

■リンク
https://www.ohkaksan.com/2015/11/14/%E5%89%8D%E5%B7%9D%E5%9B%BD%E7%94%B7%E8%87%AA%E9%82%B8%E3%82%92%E8%A6%8B%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%8F/


■解答 正。
平成29No.12の出題は、記述内容が「塔の家」になっている誤りの枝でした。設問は、それを正しくした問題です。

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立体最小限住宅(池辺陽)
■問題2
立体最小限住居(池辺 陽)は、工業化住宅の試みとして発表された「15坪住宅」であり、吹抜け空間を設けることで、狭小性の克服を目指した住宅である。
(一級計画:平成20No.

■リンク
http://sumaiinteriorhosue.seesaa.net/article/435314453.html

■解答 正。

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増沢洵邸(ますざわ まこと)(増沢洵)
■問題3-1
増沢邸[自邸](増沢洵、1952年)は、3間×3間の9坪の平面プランをもつ2階建ての計画であり、3坪の吹抜けに面して設けた南面大開口部の障子を通して、柔らかな光を室内に取り込んだ住宅である。
(一級計画:令和4年No.13)
■問題3-2
増沢洵邸(1952年)は、戦後の極限的小住宅の先駆けとなった事例であり、1階の鉄筋コンクリート造のコアの上の木造部分に、最小限必要な要素を収めた住宅である。
(一級計画:平成24No.12

■リンク
http://greenterrace5.blog.fc2.com/img/20130628112409af9.jpg/
http://wakuwakuiezukuri.blog.fc2.com/img/20140409125449f24.jpg/

■解答
問題3-1 正。
問題3-2
 誤。増沢洵邸は、戦後の極限的小住宅の先駆けとなった事例であり、池辺陽の立体最小限住宅とともに、戦後の極限的小住宅の先駆けとなった事例である。1.5×1間を構成単位とし、吹抜けの全面開口からは、障子を透して柔らかな光を採り入れている。
「1階の鉄筋コンクリート造のコアの上の木造部分に、最小限必要な要素を収めた住宅」としては、吉村順三の「軽井沢の家」が代表的である。

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斎藤助教授の家(清家清)
■問題4-1
斎藤助教授の家(清家清、1952年)は、テラス、廊下、居間が連続する開放的な平面に、移動畳等を配置し、場面に応じて空間を設える「舗設(ほせつ)」の概念を具現化した住宅である。
(一級計画:令和4年No.13)
■問題4-2
「斎藤助教授の家」(清家清、1952)は、テラス、廊下、居間・食堂を連続させた開放的な空間とし、可動の家具を配置することで、空間を状況に応じて変更することができる。
(一級計画:平成18No.

■リンク

http://hikagesun.exblog.jp/26857282/

前半は展覧会のレプリカ、後半に実物の写真などがあります。

■解答
問題4-1、2ともに
正。

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ヴィッラ・クゥクゥ(吉阪隆正)
■問題4-3
ヴィッラ・クゥクゥ(吉阪隆正、1957年)は、コンクリートの特性を生かした形態と彫りの深い開口をもち、外部に対して閉じることにより「閉鎖性」をつくり出したワンルーム形式の住宅である。
(一級計画:令和4年No.13)

■リンク

https://hhtrust.jp/hh/villacoucou.html
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pG3YxAmB1W/


■解答
女優の鈴木京香さんが継承され、建築への理解と認識向上等に貢献した業績に対して2023年日本建築学会文化賞が贈られています。

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スカイハウス(菊竹清訓)
■問題5-1
菊竹清訓邸のスカイハウス(1958年)は、4枚の壁柱によって正方形の主室を空中に持ち上げ、HPシェルの屋根を設けた構成で、住宅生産の工業化の利点を生かし、設備等の更新を可能とする「ムーブネット」を取り付けた住宅である。
(一級計画:平成24No.12
■問題5-2
スカイハウス(菊竹清訓)は、メタボリズムの考え方に基づき、一辺約10mの正方形平面の生活空間とHPシェルの屋根が、4枚の壁柱で空中に支えられた住宅である。
(一級計画:平成20No.

■リンク
http://www.shiraishi-ken.co.jp/work_51.html

■解答 5-1、2ともに正。

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以上、こんな感じで進めていきます。

比較暗記法のバックナンバーも確認しておいてください。

No.130(住宅・集合住宅の実例1)
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/41969711.html
No.131(住宅・集合住宅の実例2)
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/41970106.html
No.132(住宅・集合住宅の実例3)
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/41971373.html
No.133(住宅・集合住宅の実例4)
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/42004087.html
No.134(住宅・集合住宅の実例5)
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/42004422.html
No.135(住宅・集合住宅の実例6)
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/42201047.html
No.136(住宅・集合住宅の実例7:まとめ)
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/42201468.html
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