TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

圧縮強度

井澤ですいざわ

前回に引き続き、コンクリート供試体を用いた圧縮強度試験を扱います。

■問題
圧縮強度試験用コンクリート供試体を用いた圧縮強度試験において、荷重速度が速いほど小さい強度を示す。
(一級構造:平成23No.28

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■解答
 誤。荷重速度が速いほど大きい強度を示す。

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ポイント:コンクリート圧縮強度試験の荷重速度
荷重速度が速いほど、大きい強度を示す。
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これは、短期許容応力度が長期許容応力度よりも大きいことと関連付ければ覚えられますよね。
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■短期許容応力度 → 
10 分間ならその力が働いても大丈夫という限界値
■長期許容応力度 → 
50 年間その力が働いても大丈夫という限界値
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短い時間だったら頑張って大きな力にも耐えられますが、同じ力が長い時間かかると、へたばってしまうわけです。 



 

井澤ですいざわ

■問題1
コンクリート供試体の圧縮強度は、形状が相似の場合、一般に、供試体寸法が小さいほど大きくなる。
(一級構造:平成19No.24
■問題2
同じ鋼塊から圧延された鋼材の降伏点は、一般に、「板厚の薄いもの」より「板厚の厚いもの」のほうが低くなる。
(一級構造:平成22No.29

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■解答
 問題1、2ともに正。
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コンクリート供試体の寸法は「直径
100㎜、高さ200㎜」が標準ですが、「直径150㎜、高さ300㎜」や「直径200㎜、高さ400㎜」が使われることもあります。このとき、寸法と圧縮強度の関係を知っておかないと試験結果を正しく評価できません。

コンクリート供試体と鋼材について、
寸法と強度の関係を比較・整理すると、次のとおりです。

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ポイント:コンクリート供試体の寸法と圧縮強度
■圧縮強度
供試体寸法が大きいほど、欠陥の確率が高まるため、圧縮強度は小さくなる。(①)

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ポイント:鋼材の板厚と降伏点・引張強さ
■降伏点
板厚が40mmを超えると(=板厚が厚くなると)、熱処理時の冷却にムラができやすいため、降伏点が低下する。(②)
■引張強さ
引張強さは、板厚にかかわらず同じ。(③)

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上記③は例外として、①と②の内容を一言で言えば、寸法が大きいほど強度は小さくなる、ということです。
普通は「?」と思いますよね。だから試験で狙われるのです。そして多くの受験生が間違えるのです。
 

間違えてはいけないのは、
「寸法が大きいほど小さな力[N]で壊れる」ということではありません。
もちろん、寸法が大きいほど大きな力[N]で壊れます。
ただし、断面積1㎟当たりの力、すなわち、強度[N/㎟]で見ると、寸法が大きいほど強度[N/㎟]は小さくなるのです。
その理由は、上記のとおり、欠陥の確率が高まるためであり、また、熱処理時の冷却にムラができやすいためです。

No.355
(鋼材の板厚と降伏点・引張強さ)も復習しておいてください。
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/48182360.html





井澤ですいざわ

■問題1
構造体の計画供用期間の級が「標準」の場合の建築物において、梁側のせき板のコンクリートの圧縮強度による存置期間は、コンクリートの圧縮強度が5N/㎟以上に達したことが確認されるまでとした。(一級施工:平成19No.10
■問題2
高強度コンクリートにおいて、コンクリートの圧縮強度が8N/㎟以上に達したことを確認したので、梁側のせき板を取り外した。(一級施工:平成20No.9)
■問題3
プレキャストの耐力壁の部材コンクリートの脱型時所要強度は、脱型時にベッドを7080度まで立て起こしてから吊り上げる場合、10/㎟とした。(一級施工:平成18No.20
■問題4
プレキャスト部材の脱型時所要強度については、脱型時にベッドを傾斜させないで部材だけを片側から立て起こす計画としたので、12/㎟とした。(一級施工:平成26No.12

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―――
■解答
 問題1、3、4 正。
 問題2 誤。高強度コンクリートの梁側のせき板は、10/㎟以上が確認されれば取り外すことができる。
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――ポイント:梁側のせき板(垂直部材)の圧縮強度による存置期間――

 

計画供用期間の級

圧縮強度

普通
コンクリート

短期・標準

5N/㎟以上

長期・超長期

10/㎟以上

高強度コンクリート

10/㎟以上

※「梁側(はりがわ)のせき板」とは、梁の側面のせき板です。

――ポイント:プレキャスト脱型時の所要強度――

脱型方法

脱型時の所要強度

ベッドを傾斜させない場合

12/㎟以上

ベッドを7080°まで立てる場合

8~10/㎟程度

precast
コンクリートの圧縮強度の数値については、設計基準強度の一般的な値である24/と比較して考えましょう。


供試体の養生方法
上表のような
若材齢時(打設後の日が浅く、強度がまだ小さい時)の圧縮強度試験に用いる供試体には標準養生は使えません。
水和熱で温度上昇中の「若材齢時の強度」と、約20℃に温度調整された「標準養生の強度」との相関性が低いためです。したがって、現場養生(現場水中養生・現場封かん養生)とします
また、プレキャストは加熱養生を行うので、供試体も同一の加熱養生とします。

「供試体の養生方法」については、
No.2942016320日)もぜひ参照してください。

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