井澤です
■問題1
地盤の許容支持力度は、標準貫入試験のN値が同じ場合、一般に、砂質地盤より粘土質地盤のほうが大きい。(一級構造:平成26年No.21)
■問題2
標準貫入試験において、砂礫(されき)地盤は、同じ硬さの砂質土地盤に比べて、N値が大きく測定される傾向がある。(一級構造:平成12年No.5改)
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■解答
問題1 正。問題1は頻出事項です。
問題2 正。
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まずは基本事項の確認ですが、粒径の大小は次のとおりです。
粘土 < 砂 < レキ(石ころ)
2つの問題のポイントは共通しています。
―――――――――ポイント―――――――――
同じ地耐力でも、粒径が大きいほど、N値は大きく測定される。
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問題2で考えたほうが分かりやすいと思います。
同じ地耐力でも、砂よりレキ(石ころ)のほうが、N値は大きく測定されます。
なぜなら、同じ地耐力でも、大きなレキがサンプラーの行く手を阻み、貫入するのを邪魔するからです。したがって、サンプラーを30cm打ち込むのに要する打撃回数であるN値が大きくなるのです。
これと同じことが、問題1のように、粘土と砂でも生じるのです。
粘土より砂のほうが粒径が大きいので、
同じ地耐力でも、粘性土より砂質土のほうが、N値は大きく測定されます。
逆に、粘性土のN値と砂質土のN値が同じだったら、粘性土のほうが地耐力は大きいことになります。
具体的には、N値が10の場合、砂質土では軟弱な状態を示し、粘性土では非常に硬い状態を示します。
したがって、粘性土のほうが許容支持力度(=許容応力度)は大きくなります。
―――――――――ポイント―――――――――
地盤の許容応力度は、N値が同じ場合、砂質地盤より粘土質地盤のほうが大きい。
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