TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

場所打ちコンクリート杭

井澤ですいざわ

■問題1
砂質土における杭の極限先端支持力度の大小関係は、打込み杭>埋込み杭>場所打ちコンクリート杭である。(一級構造:平成22No.23
■問題2
砂質土における杭の極限周面摩擦力度の大小関係は、打込み杭>埋込み杭(杭周固定液を使用)>場所打ちコンクリート杭である。(一級構造:平成22No.23

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■解答
 問題1 
 問題2 
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杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和です。

■極限先端支持力度
①打込み杭は、地盤を締固めますので、先端支持力が最大。
埋込み杭(セメントミルク工法)は、杭先端の地盤を根固め液で固化するので、先端支持力が大きい。
③場所打ちコンクリート杭は、先端支持力が最小。

極限周面摩擦力度
①打込み杭は、杭周面がツルツルなので、周面摩擦力が最小。
埋込み杭(セメントミルク工法)は、孔壁との間を杭周固定液で固化するので、周面摩擦力が大きい。
③場所打ちコンクリート杭は、周面がザラザラなので、周面摩擦力が最大。

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ポイント―――――――――

pile foundation

緑の矢印が先端支持力の大きさを表し、青の矢印が周面摩擦力の大きさを表します。
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井澤ですいざわ

■問題1
セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、余掘り量(掘削孔底深さと杭の設置深さとの差)の許容値については、50㎝とした。(一級施工:平成18No.8)
■問題2
場所打ちコンクリート杭工事において、コンクリートの打込みに際し、杭頭部に余盛りを行い、コンクリート硬化後、余盛り部分を斫り取った。(一級施工:平成21No.7)
■問題3
完全溶込み溶接の突合せ継手の余盛り高さについては、1㎜であったので、許容差の範囲内とした。(一級施工:平成23No.14


問題3は杭工事ではありませんが、「余盛り」つながりで。

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■問題1、2、3ともに正。


余掘りと余盛りは、文字は似ていますがまったく別物です。
余掘りは「既製杭」、余盛りは「場所打ちコンクリート杭」で登場する用語です。
また、余盛りは鉄骨工事の溶接でも登場します。
まずは図でイメージをしっかり持ちましょう。3連ちゃんです。

yobori

yomori kui

yomori yousetu


―――――――――ポイント―――――――――
■余掘り(既製杭)
・掘削孔底深さと杭の設置深さとの差を「余掘り」という。
・余掘り量は0.5m以下とする。
■余盛り(場所打ちコンクリート杭)
・杭頭部は泥水やスライムなどにより強度が低下しやすいため、杭頭部を余分に打ち上げ、コンクリート硬化後、斫り取る部分を「余盛り」という。
・場所打ちコンクリート杭の余盛り高さは、孔内水がない場合50㎝以上、孔内水がある場合80100㎝程度
■余盛り(鉄骨工事の溶接)
・完全溶込み溶接または隅肉溶接で、必要な寸法以上に表面から盛り上げた溶着金属部分を「余盛り」という。
・余盛りは母材表面から滑らかに連続する形状が良く、余盛り高さは、過大なものは欠陥となるため、できるだけ小さくする。完全溶込み溶接の管理許容差は開先寸法によって変わるが、最も厳しいもので0<余盛り高さ≦3㎜である。したがって、余盛りを1㎜とした、3㎜とした、という設問は正しい。

―――――――――補 足―――――――――
■余掘り
支持層への杭の「設置深さ」は1m以上としなければなりません。
孔底にはどうしてもレキ等がゴロゴロしますので、支持層の「掘削深さ」をちょうど1mとすると、レキ等が邪魔して、支持層への杭の「設置深さ」が1m確保できません。
そこで、レキ等の分を見込んで余分に掘っておく分が「余掘り」です。
余掘り量は0.5m以下とします。
例えば、余掘り量を0.5mとしたとき、実際の孔底のレキ等が0.2mだったとすると、0.5m-0.2m=0.3mの隙間はどうなっているのか?と疑問に思う方がいるかもしれませんが、そこには根固め液が充填されており、ある程度硬化するまで地上から杭をワイヤロープで吊って「設置深さ」を保持します。

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