TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

学科試験

講師の清田ですseita2

令和2年 二級建築士学科試験の講評を公開いたします。
昨日、二級建築士学科試験を受験された皆様、本当にお疲れ様でした。

■TAC合格推定点■
TAC合格推定点  60点以上
TAC各科目基準点 計画13点以上、法規13点以上、構造13点以上、施工13点以上

午前の計画の難易度が比較的高かったものの、法規、構造、施工とおおむね標準的な難易度だったことから、総合推定点は60点以上と考えられます。
なお、この推定点はTACが独自に算出したものです。
実際の合格点と異なる場合がありますことをあらかじめご了承ください。
試験実施機関による正式な合格発表は8月25日(火)が予定されています。

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それでは続いて総評です。

 ■計画■
やや難易度の高い問題でした。目新しい新規問題が多く出題され、受験生は難しく感じたことでしょう。1級建築士の問題から下りてきていた傾向がありました。ただし、過去問の知識を理解し、記憶していれば消去法で解ける問題も多く、過去問の知識で基準点は確保できたことでしょう。

・[№1]建築史の問題は新規の内容ばかりでしたが、過去によく出題されている「伊勢神宮内宮正殿」のキーワード「平入りの神明造り」、「掘立柱」、「2本の棟持柱」などを記憶していれば解けました。丸暗記ではなく、理解して覚えることが大切です。

・[№4]解答肢の2.「空気齢」の用語は、2級では新規で目新しいですが、1級では平成22年、24年、令和元年に出題されており、1級の問題が2級に下りてきている傾向を示しています。この問題は難問なので、捨て問でしょう。

・[№16・17]建築計画の問題では、高齢者や車椅子使用者に配慮した出題があり、「鉛直型段差解消機」、「便所のブースの出入り口有効幅」、「エレベーターに関する問題」などは、今年の計製図試験(高齢者の住まい)を意識した出題とも考えられます。

■法規■
やや易しい~標準的な問題でした。建築基準法20問、関係法令5問は例年通りでした。法規で高得点を確保し、総合点の点数を伸ばしたいところです。

・[№5]採光の計算問題、[№16]特定道路の容積率の計算問題などは、直前演習ゼミの講義でも今年出題の可能性の高い問題で優先して学習すべき!と案内した通り、出題されましたね!

・[№11]内装制限の問題は「学校は内装制限を受けない」ということを覚えておけば、法令集を調べるまでもなく解けました。このように、覚えられることは覚えておく!ことが法規で効率よく短時間で解くポイントです。

・[№18]斜線制限の問題は例年難しく、受験生の多くが得点しにくい問題ですが、今年は比較的簡単な問題でした。A点の高さは、道路斜線制限のみから決まり、緩和は「2以上の前面道路」と「セットバック緩和」の2つを使うだけでした。
・[№23~25]建築士法以外の関係法令では融合問題が2問、都計法が1問出題されましたが、難易度は標準的なものでした。

■構造■
標準的~やや難しい問題でした。№1~6の力学の問題の難易度が比較的高く、出鼻を挫かれた受験生もいたのではないでしょうか。ただ、後半の文章問題では、目新しい問題もあったものの、過去問の知識と各構造の原理・原則を理解ができていれば基準点は得点できたことでしょう。

・ [No.2]応力度の問題では、例年「単純梁」の応力度を求める問題でしたが、今年は「片持ち梁」で驚いた受験生もいたのではないでしょうか。ただ解法の仕方は同じです。

・[No.3]単純梁の荷重の種類を変えた場合の記述の正誤を問う問題ですが、難問でした。肢3、5と迷うところですが、肢3たわみについては、公式の係数まで正確に覚えていないと正誤を判断できません。これは捨て問でしょう。

・[No.4]この類の曲げモーメント図が示された問題は、近年よく出題されています。ただし、この問題も難問でしょう。


■施工■
標準的な問題でした。見た事がない新規の問題も見受けられましたが、過去問の正確な知識があれば惑わされずに得点できたでしょう。

・[№6]木造住宅の基礎の問題は、解答を見つけにくい難問でした。

・[№8]コンクリート工事では、打継ぎ面は湿潤にすること、[№12]鉄骨工事では、建入れ直しは本設の構造である筋かいを用いないこと、などその他の問題でも、基本事項を問う問題が多かったことが、標準的な難易度と感じた要因と言えるでしょう。

・[№23]測量の問題は、捨て問と言えるでしょう。受験生を惑わせるためのトラップのような問題です。このような問題には時間をかけず、他の問題で確実に得点することが合格の秘訣です。



二級建築士学科試験の総評は以上です。

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合格見込みの方、次は設計製図試験です

TACでは課題説明会が7/8(水)から始まります!

二級製図の「課題説明会」については、
こちらをご確認ください。

つかの間の休息をとった後、いよいよ設計製図試験に向けて頑張りましょう!







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ほんだこんにちは、ホンダです。

昨日の本試験、大変お疲れさまでした。
さっそくですが、お約束の講評と合格推定点についてTACの見解を公表します。


―――――――――講評
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まず試験の難易度は、次のとおりです。

計画   →やや難しい
環境・設備易しい
法規   →例年並み
構造   →例年並み
施工   →やや難しい

全体としては、例年並み(昨年よりやや難しい)と言えます。

科目ごとに少し詳しく見ていきます。

■計画
の特徴

●№2枝3は、今年1月末に惜しまれつつ一般公開を終了した神奈川県立近代美術館鎌倉館(坂倉準三設計)と、世界遺産に登録されたばかりの国立西洋美術館本館(ル・コルビュジエ設計)とを混同させた誤りの枝でした。
№6は、今年の設計製図課題でも重要なテーマに挙げられているパッシブデザインについての出題でした。
建築史、実例建築物からの出題が今年も5問ありました。決して易しくはありませんが、№12以外の4問は、過去問の応用で対応できる内容でした。
19(積算)では図の問題が出題されました。小数点以下を切り上げた整数に1を加えることがポイントです(いわゆる植木算)。

■環境・設備
の特徴

過去問で十分に対応できる問題でした。
15(給排水設備)の緊急給水遮断弁、給湯設備の転倒防止措置、災害応急対策のための受水槽容量の増量や、№19(建築設備)の火災時管制運転制御など、災害対策を意識した問題が散見されました。
 

■法規の特徴

建築基準法は標準的な問題でしたが、法令集を見ないで解答できる問題が少なく、時間が掛かったかもしれません。
関係法令のNo.24(建築士法)、No.25(都市計画法)、No.30(関係法令)は、細かい点からの出題で、難しい問題でした。
№7枝4は、地上3階建ての学校について、耐火建築物としなくてもよい、という法27条、法別表1の法改正に関わる内容でした。
21枝3は、延べ面積300㎡超の場合の書面による契約締結の義務についての、士法22条の3の3の法改正に関わる内容でした。
上記のような、建築基準法、建築士法の改正からの出題がありましたが、量的には多くありませんでした。来年以降、出題が増えることは間違いないでしょう。

■構造
の特徴

力学の№1(全塑性状態のPとQ)、№5(静定トラス)は、過去問にひねりが加えられており、やや難しい問題でした。
文章問題は、1問につき1枝程度の新規問題が入っており、さらに解答枝が過去問と表現を変えたものが多く、過去問の正確な理解と応用力が試される内容でした。
ただし、手も足も出ない難問はほとんどありませんでした。
構造では、特に、過去問を字面で覚えるのではなく、内容を理解することが大事であることが再認識された出題でした。

■施工
の特徴

近年の傾向どおり、施工はやや難しい問題でした。
図を使った№23(RC造の耐震改修工事)が特に難しい問題でした。
新規問題も多く、残りの過去問をしっかり理解・暗記できていたかが合否を分けます。つまり、新規問題に惑わされないだけの過去問の正確な理解が問われています。
25の工事請負契約約款では、設問の前文で、平成28年3月改正ではなく、平成23年5月改正からの出題と明記されました。ただし、平成28年3月改正に関係する内容からの出題はありませんでした。


一級建築士学科試験の総評は以上です。
さて、合格推定点ですが、計画と施工が難しかった点を考慮しても、全体の難易度としては例年を大きく超えるものではなく、現時点では90点以上と推定します。

ただ、科目ごとの基準点については、計画・施工で1点下がる余地がありますので、89点以上の方は設計製図試験の準備を開始すべきでしょう。

ということで、いよいよ次は設計製図試験です!
つかの間の休息をとった後、最終合格に向けて一緒に頑張りましょう!


(注)TAC(株)が独自の見解に基づき、サービスとして情報を提供するもので、試験機関による本試験の結果等(合格基準点・合否)について保証するものではございません。

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