TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

定着長さ

井澤ですいざわ

■問題1
露出形式柱脚において、所定の構造計算を行わなかったので、アンカーボルトの基礎に対する定着長さをアンカーボルトの径の10倍を確保した。(一級構造:平成23No.16
■問題2
露出形式柱脚において、柱の最下端の断面積に対するアンカーボルトの全断面積の割合を20%以上とした。(一級構造:平成23No.16

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■解答
 問題1 誤。10倍ではなく20倍以上必要です。
 問題2 正。
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さっそくポイントを確認しましょう。

―――ポイント
鉄骨構造 露出形式柱脚―――
鉄骨構造 露出形式柱脚
■アンカーボルトの定着長さ・・・20d以上(d:アンカーボルトの径)
■アンカーボルトの全断面積/柱の最下端の断面積・・・20%以上
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「柱の最下端の断面積」とは、H形鋼や角形鋼管(ボックスコラム)の断面積です。
exposed-type column base
どちらも「20」ですからセットで覚えておきましょう。

井澤ですいざわ

■問題1
鉄筋コンクリート構造において、大梁主筋の柱への必要定着長さは、大梁主筋の強度が高いほど短くなる。(一級構造:平成27No.12
■問題2
鉄筋コンクリート構造において、大梁主筋の柱への必要定着長さは、柱のコンクリート強度が高いほど短くなる。(一級構造:平成27No.12


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■解答
 問題1 誤。鉄筋の強度が高くなると、必要定着長さは長くなります。
 問題2 正。
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はじめに、「
定着長さ」とは、鉄筋コンクリート構造において、①梁の鉄筋を柱に定着するときの長さ、②小梁の鉄筋を大梁に定着するときの長さ、③アンカーボルトをコンクリートに定着するときの長さ などをさします。
そして、「必要定着長さ」は、鉄筋がコンクリートから抜けないようにするために必要な定着長さです。

―――――ポイント:必要定着長さ――――――
■鉄筋の強度が高くなると、必要定着長さは長くなる。
 ↑鉄筋に大きな引張力が働き、抜けやすくなるから。
■コンクリートの強度が高くなると、必要定着長さは短くできる。
 ↑鉄筋がコンクリートから抜けにくくなるから。
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それでは、次の問題でおさらいしましょう。

■問題3
柱に定着する梁の引張り鉄筋の定着長さにおいて、SD295Aの鉄筋を同一径のSD390の鉄筋に変更したので、定着長さを長くした。(一級構造:平成23No.13
■問題4
SD345の鉄筋の一般定着の長さは、コンクリートの設計基準強度を24/㎟から36/㎟に変更したので短くした。(一級構造:平成20No.14


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■解答
 問題3 正。SD390のほうが鉄筋の強度が高いので、必要定着長さは長くなります。
 問題4 正。36/㎟のほうがコンクリート強度が高いので、必要定着長さは短くなります。
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「必要定着長さ」は、鉄筋の強度、コンクリートの強度のほか、フックの有無によっても変わります。例えば、SD
345、コンクリートの設計基準強度が24/㎟であれば、フックなしで35d(dは異形鉄筋の呼び名に用いた数値)、フック付きで25dです。

なお、「フック付き」の必要定着長さは、「フックなし」の「-
10d」ですが、フックの角度に関わらず一定です。つまり、何度のフックであろうと「-10d」です!
No.268(鉄筋の折曲げ形状2)も参照してください。
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/2016-01-18.html

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