TAC建築士講師室ブログ

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層間変形角

井澤ですいざわ

■問題1
高さ20m、鉄骨造、地上5階建ての建築物の場合、層間変形角が1/200以下であることの確認及び保有水平耐力が必要保有水平耐力以上であることの確認を行った。(一級構造:平成18No.21
■問題2
層間変形角の確認において、構造耐力上主要な部分の変形によって建築物の部分に著しい損傷が生じるおそれのない場合には、層間変形角の制限値を1/120まで緩和できる。(一級構造:平成23No.26
■問題3
一次設計用地震力によって生じる各階の層間変形角が1/180となったので、別途に、帳壁、内外装材、設備等に著しい損傷の生じるおそれがないことを確認した。(一級構造:平成22No.26
問題4
鉄骨造の建築物において、外壁のALC版を変形に追従できるようにし、層間変形角を1/150以内で設計した。(一級構造:平成4年No.16
■問題5
主要構造部を準耐火構造とした建築物及び特定避難時間倒壊等防止建築物の地上部分の層間変形角は、原則として、1/150以内でなければならない。(一級法規:平成20No.

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層間変形角とは、各階に生じる水平方向の層間変位を、その階の高さで除した値です。
まずは、設問の解説の前にポイントを整理します。

ポイント:層間変形角

 

層間変形角

原則

/200以内

帳壁、内外装材、設備等に著しい損傷のおそれがない場合

/120以内

主要構造部が準耐火構造or特定避難時間倒壊等防止建築物

/150以内


「帳壁に著しい損傷のおそれがない場合」の代表例は、カーテンウォールのロッキング工法(回転)です。

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■解答
■問題1 正。
設問の「高さ20m、鉄骨造、地上5階建ての建築物」は、耐震計算ルート2以上、すなわち許容応力度等計算以上としなければなりません。したがって、上位の保有水平耐力計算は可です。層間変形角は、表の「原則」の値である「1/200以内」とします。
■問題2、3、4 ともに正。
この3つの論点は同じです。原則として層間変形角は1/200以内ですが、帳壁(ALC版などのカーテンウォール)、内外装材、設備等に著しい損傷の生じるおそれがない場合には、1/120までは可です。
■問題5 正。
問題5は法規の出題を改良したものです。建築基準法施行令109条の2の2。これは、構造強度上というより、防火上の規定です。すなわち、地震時に火炎が通る亀裂等の損傷及び隙間を生じないための規定です。なお、令109条の2の2は「特定避難時間倒壊等防止建築物」が定義されている条文ですから、法令集にしっかりインデックスを付けておきましょう。
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井澤ですいざわ

■問題1
建築物の地上部分に作用する地震力について、許容応力度計算を行う場合において標準せん断力係数C0 0.2以上とし、必要保有水平耐力を計算する場合において標準せん断力係数C0 1.0以上としなければならない。(一級構造:平成24No.7)
■問題2
鉄筋コンクリート造の保有水平耐力計算を行う場合の地上部分の地震力は、標準せん断力係数C0 が「0.2以上の場合」と「1.0以上の場合」の2段階の検討をする。(一級構造:平成21No.8)
■問題3
鉄骨構造の耐震設計において、「耐震計算ルート1-1及び1-2」では、標準せん断力係数C00.2として地震力の算定を行う。(一級構造:平成26No.18改)
■問題4
地盤が著しく軟弱な区域として指定する区域内における木造の建築物について、標準せん断力係数C00.3として、地震力を算定した。(一級構造:平成27No.9改)
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■解答
問題1 正。
問題2 正。建築基準法施行令82条により「保有水平耐力計算」には、①許容応力度計算、②層間変形角の確認、③保有水平耐力≧必要保有水平耐力、④屋根ふき材等の構造計算が含まれます。①と②ではC0 0.2以上、③の必要保有水平耐力を計算する場合はC0 1.0以上とする。
問題3 誤。鉄骨造において、耐震計算ルート1では標準せん断力係数C00.3以上とする。
問題4 正。
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F1ドライバーには、ヘアピンカーブで遠心力として4G程度の横Gがかかると言われています。首には頭の重量の4倍の水平力がかかるということです。これ、まさにせん断力です。
地震層せん断力の算定における標準せん断力係数C0は、この横Gの大きさを表すものです。
00.2ならば、その階の支えている重量の0.2倍の水平力が働くことを意味し、
01.0ならば、その階の支えている重量の1.0倍の水平力が働くことを意味します。

標準せん断力係数C
0の数値として次の表の4つをしっかりと比較整理しましょう。
standard shear coefficient
 

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