TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

幕張ベイタウン

井澤ですいざわ
「実例」の誤りの枝の典型は、記述内容が他の建築物の説明になっているというものです。
誤りで出題されたものは、そのうち、正しい枝で出題されますので要注意です。

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用賀Aフラット
(早川邦彦)
■問題46
用賀Aフラット(世田谷区)は、道路に対して視覚的に開放されつつ、ガラススクリーンで隔てられた中庭をもつ、アーティストやデザイナーの入居を想定した賃貸集合住宅である。
(一級計画:平成27No.12

■リンク
http://sekkei.exblog.jp/9868834/

■解答 正。

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茨城県営松代団地
(大野秀敏+三上建築事務所+アプル総合計画事務所)

■問題
47
茨城県営松代団地(つくば市)は、中庭を囲む6階建ての4棟の住棟を、4階にある「上の道」と称する回廊でつないだ集合住宅であり、「上の道」は、プレイロットや植栽等のある街路状の空間として機能させることを意図している。
(一級計画:平成19No.10

■リンク
http://sciencecity.tsukuba.ch/e259745.html

■解答 正。

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熊本県営竜蛇平団地
(りゅうじゃびら)(元倉眞琴)
■問題48
熊本県営竜蛇平団地(熊本市)は、中庭や共用部に面して住戸ごとの土間やテラス等を設け、居住者同士が互いの生活を感じながら居住することができるように計画されている。
(一級計画:平成30年No.13)


■リンク
http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_1658.html
↑なぜ熊本県のホームページかというと、前回№9で説明したとおり、くまもとアートポリス事業の一つだからです。小さい写真ですが、住棟配置がよく分かります。

■解答 正。


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幕張ベイタウンパティオス4番街
(松永安光+坂本一成)
■問題49
幕張ベイタウンパティオス4番街(千葉県千葉市)は、壁面線の位置・高さ、壁面率等についての「都市デザインガイドライン」に沿って設計された集合住宅であり、街区型の形式に特徴がある。
(一級計画:平成28年No.13

■リンク
https://www.goodrooms.jp/journal/?p=8827
↑後半が幕張ベイタウンです。

■解答 正。「街区」とは、道路で囲まれた一まとまりの敷地をいいます。「街区型集合住宅」とは、街区を一まとまりに計画した集合住宅をいい、一般に、道路に面した板状住棟が中庭を取り囲むように配置されます。

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インナートリッププラザ神山町
(守屋弓男)
■問題50
インナートリッププラザ神山町(東京都渋谷区)は、各階に多様な世帯構成を想定した各種の住戸を配置し、相互扶助的な共生を意図したコレクティブハウスである。
(一級計画:平成16年No.9改

■リンク
http://hs-chintai.com/build-999738/room-2228937.html
↑写真が10枚あります。最後にコレクティブハウスらしい中庭や共用のLDKの写真があります。

■解答 正。
平成16年No.の出題は、主語がベルコリーヌ南大沢になっている誤りの枝でした。上記の問題は、それを正しくしたオリジナル問題です。

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井澤ですいざわ

■問題1
「千葉市立打瀬小学校」(千葉県、1995)は、クラスルーム、ワークスペース、アルコーブ、中庭等をひとまとまりにした空間を、低、中、高学年ごとに配置し、多様な学習展開への対応を図っている。
(一級計画:平成18No.12
■問題2
幕張ベイタウン(千葉市)は、壁面線の位置・高さ、壁面率、三層構成(基壇部、中間部、頂部)等についての「都市デザインガイドライン」に沿って設計された集合住宅団地であり、街区型の形式に特徴がある。
(一級計画:平成24No.11

小学校と集合住宅、何を比較して覚えるのか、というと、実はこの2つは同じ千葉県千葉市美浜区打瀬にあり、幕張ベイタウンの中心にあるのが打瀬小学校なのです。

■解説
 問題1、2ともに正。

――――――――ポイント――――――――
■千葉市立打瀬小学校
設問中の「ワークスペース」はオープンスペース型、「アルコーブ」は教室重視型の長所を活かし、さらに、「低、中、高学年ごとに配置」とあるように、低学年教室群と高学年教室群などの分離を図るという、贅沢な設計内容です。
打瀬小学校も「都市デザインガイドライン」に沿って、街区型(中庭を囲んで道路沿いに建築物を配置するタイプ)の設計となっています。
■幕張ベイタウン
最も大きなポイントは「都市デザインガイドライン」です。
バックナンバーNo.13513620151/81/10)も参考にしてください。
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井澤ですいざわ

■問題1
ベルコリーヌ南大沢(東京都八王子市)は、マスター・アーキテクト方式による一体感のある景観をもつ集合住宅地である。
(一級計画:平成7年No.9)
■問題2
幕張ベイタウン(千葉市)は、壁面線の位置・高さ、壁面率、三層構成(基壇部、中間部、頂部)等についての「都市デザインガイドライン」に沿って設計された集合住宅団地であり、街区型の形式に特徴がある。
(一級計画:平成24No.11


大規模な集合住宅地の計画において、複数の建築家が関わる際、円滑に計画を進め、かつ、調和の取れたデザインを行うための手法として、マスターアーキテクトが中心となって全体のコンセプトとマスタープランを作成する「マスターアーキテクト方式」や、建築物のボリューム、仕上、色彩等のデザインのルールを決める「デザインガイドライン」の導入が有効です。

――――――――ポイント――――――――
■マスターアーキテクト方式の例
 ・ベルコリーヌ南大沢(東京都八王子市)
■都市デザインガイドラインの導入例
 ・幕張ベイタウン(千葉市)
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■解答
 問題1、2ともに正。
なお、ベルコリーヌ南大沢のマスターアーキテクトは、一級建築士で出題されている「桜台コートビレッジ」(昨年出題)や「世田谷美術館」の設計で知られる内井昭蔵先生です。

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