TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

建築主事等

井澤ですいざわ

問題1は令和7年の出題、問題2は令和6年の出題です。
法規ではこのように前年と同じ論点が連続で出題されることがありますので、前年の過去問もきちんと学習する必要があります。

[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(R07-04)
建築主は、指定確認検査機関から建築物の用途の変更に係る確認済証の交付を受けた場合において、工事完了届については、建築主事等に届け出なければならない。
■問題2(R06-04)
建築物の用途の変更(増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないもの)についての確認済証の交付を指定確認検査機関から受けた場合においては、建築主は、建築物の用途の変更に係る工事が完了したときは、当該指定確認検査機関に届け出なければならない。


用途変更に係る規定は、法87条です。
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<覚え方>
「酔うとヘンな鼻」
用途 変更 87条
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・確認申請の法6条を見ても、完了検査の法7条を見ても、用途変更のことは規定されていません。
・用途変更は、全く工事を伴わない場合や大規模でない修繕や模様替を行う場合も含まれ、建築(新築・増築・改築・移転)や大規模の修繕・模様替とは違うため、法6章「雑則」の中の法87条にまとめて規定されているのです。

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[比較暗記法]  「用途変更後の工事完了届」

① 用途変更の確認申請
・建築主事等への確認申請・・・・・・可
・指定確認検査機関への確認申請・・・可

② 用途変更後の手続
・完了検査の申請・・・・・・・・・・・・不可
・建築主事等への工事完了届の届出・・・・可
・指定確認検査機関への工事完了届の届出・不可
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① 用途変更の確認申請について
・法87条1項において、法6条(法87条1項の「同条」の部分)と法6条の2が準用されるため、法6条の建築主事等への確認申請も可能ですし、法6条の2の指定確認検査機関への確認申請も可能です。

② 用途変更後の手続について
・法87条1項において、法7条(建築主事等の完了検査)が準用されますが、法87条1項後段に
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この場合において、第7条第1項中「建築主事等の検査(略)を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事等(略)に届け出なければならない」と読み替えるものとする。
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とあるため、「完了検査の申請」ではなく「建築主事等への工事完了届の届出」に読み変わるのです。
・これはつまり、用途変更は、全く工事を伴わない場合もあるため、完了検査の必要がなく、用途変更完了の旨の届出だけで良いのです。

・次に、工事完了届の提出は建築主事等あてであり、指定確認検査機関あてではありません。
・これは法87条1項において、法7条(建築主事等の完了検査)は準用されますが、法7条の2(指定確認検査機関の完了検査)は準用されないためです。この理由は以下のとおりです。

<用途変更の際の工事完了届の提出先が、指定確認検査機関ではなく建築主事等である理由>
・法7条の2第6項により、指定確認検査機関は、建築、大規模の修繕・模様替において完了検査をしたときは、完了検査報告書(建築主に対する検査済証ではない)を作成し、特定行政庁に提出しなければなりません。
・用途変更の際、完了検査に代わる工事完了届は、指定確認検査機関に届け出ても上記のように最終的に特定行政庁に提出されることになるので、初めから直接、建築主事等(建築主事を置く地方公共団体の長が特定行政庁)に届け出るのが合理的であるということです。

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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。法87条1項により、設問の用途変更の場合は、法7条1項(完了検査申請)の規定が準用され、さらに「建築主事等への検査の申請」は、「建築主事等(大規模建築物に係るものである場合は建築主事)へ届出」と読み替えます。法87条1項では、法6条の2(指定確認検査機関による確認)の規定は準用されますが、法7条の2(指定確認検査機関による完了検査)の規定は準用されないため、指定確認検査機関から用途変更に係る確認済証の交付を受けた場合であっても、建築主事等に工事完了届を届け出なければなりません。
■問題2 誤。指定確認検査機関に工事完了届を届け出ることはできません。


さて、ここまで建築士法から始まり、関係法令、建築基準法の順に進めてきた「井澤式比較暗記法[法規編]」も早いもので次回で完結です。
最終回もお楽しみに!





井澤ですいざわ

[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(法規H25-04)
鉄筋コンクリート造、延べ面積500㎡、地上3階建ての事務所を新築する場合においては、建築主は、当該建築物の検査済証の交付を受ける前においても、特定行政庁又は建築主事若しくは指定確認検査機関から仮使用の認定を受けて、仮に、当該新築に係る建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
■問題2(法規R04-04)
建築主は、鉄骨造、延べ面積500㎡、地上3階建ての事務所を新築する場合において、完了検査の申請が建築主事により受理された日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用することができる。
■問題3(法規R03-04)
延べ面積2,000㎡、地上4階建ての病院の避難施設等に関する工事の施工中において当該建築物を使用する場合においては、当該建築主は、仮使用の認定を受けるとともに、あらかじめ、当該工事の施工中における当該建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。


仮使用の認定」と「安全計画届(安全上の措置等に関する計画届)」は、工事中に建築物の使用を始めるという同じタイミングでの手続きですが、目的が違うので手続きが必要な要件も違います。
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[比較暗記法]  建築基準法「仮使用の認定と安全計画届」
No.47

仮使用の認定(法7条の6)
工事の完成度の確認が主眼

安全計画届(法90条の3、令147条の2)
工事と使用が同時進行する時の工事管理体制の確保が主眼
特に利用者が多く、危険性が高い建築物が対象
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仮使用の認定(法7条の6)について>
・工事中の建築物は、火気使用、避難施設の未完成等により火災時の危険性が高いため、一定の建築物は、原則として、工事が完了して検査済証の交付を受けた後でなければ建築物を使用してはいけません。
・この規制は、法6条1項一号又は二号の建築物の①新築工事、②避難施設等に関する工事(増改築等)が対象です。
・ただし、次のいずれかに該当したときは建築物を使用することができます。これを「仮使用の認定」といいます。

法7条の6第1項
一号 特定行政庁の仮使用の認定
二号 建築主事等又は指定確認検査機関の仮使用の認定
三号 完了検査の申請の受理から7日を経過したとき。(法7条4項により、建築主事等が完了検査の申請を受理した場合は、7日以内に完了検査をしなければなりません。それを超えた場合は行政側の責任であり、建築物を使用し始めることができます。なお、その場合は使用中に追って検査を受けることになります。

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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。法7条の6第1項一号及び二号により、特定行政庁、建築主事等(大規模建築物にあっては、建築主事)、指定確認検査機関が安全上、防火上及び避難上支障がないと認めて仮使用の認定をしたときは、仮に使用することができます。
■問題2 正。法7条の6第1項三号により、完了検査の申請が建築主事等(法4条7項に規定する大規模建築物にあっては、建築主事)により受理された日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用することができます。
■問題3 誤。法90条の3及び令147条の2第二号により、病院で5階以上の階におけるその用途に供する部分の床面積の合計が1,500㎡を超えるものに係る避難施設等に関する工事の施工中に当該建築物を使用する場合、建築主は、法7条の6の仮使用の認定に加えて、あらかじめ、工事の施工中における建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければなりません。設問は、この規模に満たないため届出は不要です。






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