TAC建築士講師室ブログ

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建築士

井澤ですいざわ
「既存不適格建築物の増築等における構造耐力の規定の適用」の設問は難問の一つですが、下記の[比較暗記法]で比較整理すれば解けるようになります!

[テーマ問題] (建築基準法)
構造耐力の規定に関して建築基準法第3条第2項の規定の適用を受けている既存建築物について、増築等を行う際の構造耐力の規定の適用について、建築基準法上、正誤を判断せよ。
■問題1(H22-11肢1)
基準時の延べ面積が2,000㎡の図書館に、床面積1,200㎡の増築を行う場合、既存の図書館の部分が耐久性等関係規定及び所定の構造耐力に関する基準に適合し、増築後の建築物の安全が構造計算によって確かめられ、増築部分が現行の構造耐力の規定に適合すれば、既存の図書館部分には現行の構造耐力の規定は適用されない。
■問題2(H22-11肢2)
基準時の延べ面積が1,400㎡の事務所に、床面積60㎡の昇降機棟の増築を行う場合は、増築に係る部分が現行の構造耐力の規定に適合し、かつ、既存の事務所の部分の構造耐力上の危険性が増大しない構造方法とすれば、既存の事務所の部分に現行の構造耐力の規定は適用されない。
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[比較暗記法]  「既存不適格建築物の増築等における構造耐力の規定の適用」
まずは法86条の7第1項の読み方を正しく理解することが大事です。
No.77

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[比較暗記法]  「既存不適格建築物の増築等における構造耐力の規定の適用」
法86条の7第1項に基づく令137条の2により、「構造耐力の規定に適合していない既存不適格建築物」について現行の構造耐力の規定を適用しない増築等は、その床面積が基準時(構造耐力の規定の改正時)の延べ面積の
①1/2を超えるか、
②1/20(又は50㎡)を超えるか、
③1/20(かつ50㎡)以下かで、
「これだけは守らなければならない規定」を定める条文が異なる。

「これだけは守らなければならない規定」は、
①は令137条の2の一号、
②は二号、
③は三号、
を見れば良い。
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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。設問の増築の規模は上記の①に該当し、一号イの(1)(2)(3)の要件を満たしているので正しい。
設問の文章に、要件に該当する条文番号を付記すると、以下のとおり。
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基準時の延べ面積が2,000㎡の図書館に、床面積1,200㎡の増築を行う場合、
「既存の図書館の部分が耐久性等関係規定及び所定の構造耐力に関する基準に適合 → 一号イ(3)」し、
「増築後の建築物の安全が構造計算によって確かめられ → 一号イ(1)」、
「増築部分が現行の構造耐力の規定に適合すれば → 一号イ(2)」、
既存の図書館部分には現行の構造耐力の規定は適用されない。
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■問題2 誤。設問の増築の規模は、基準時の延べ面積の1/20(1,400㎡の1/20は70㎡であり50㎡を超えるので、50㎡に読み替える)を超えるので、上記の②の「1/20(又は50㎡)を超え1/2以下」に該当するが、設問は令137条の2第二号の要件を満たさず、三号イの要件を挙げているので誤り。






井澤ですいざわ
前回に引き続き、建築協定です。

[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(R01-18)
建築協定書の作成に当たって、建築協定区域内の土地に借地権の目的となっている土地がある場合においては、借地権を有する者の全員の合意がなければならない。
■問題2(H23-19)
認可を受けた建築協定に係る建築物に関する基準を変更しようとする場合、建築協定区域内の土地の所有者等(借地権の目的となっている土地の所有者は除く。)の過半数の合意をもってその旨を定め、これを特定行政庁に申請してその認可を受けなければならない。
■問題3(H27-19)
認可を受けた建築協定を廃止しようとする場合においては、建築協定区域内の土地の所有者等(当該建築協定の効力が及ばない者を除く。)の過半数の合意をもってその旨を定め、これを特定行政庁に申請してその認可を受けなければならない。

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[比較暗記法]  「建築協定」
締結 → 原則、全員の合意(法70条3項)
変更 → 原則、全員の合意(法74条2項)
廃止 → 原則、過半数の合意(法76条)
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[テーマ問題の解答]
■問題1 正。法70条3項ただし書により、建築協定区域内の土地に借地権の目的となっている土地(借地)がある場合においては、当該「土地の所有者以外の土地の所有者等」(すなわち「借地権者」)の全員の合意があれば足ります。設問のとおり、借地権者の全員の合意は必要です。
■問題2 誤。法74条1項により、認可を受けた建築協定に係る建築物に関する基準等を変更しようとする場合は、その旨を定め、これを特定行政庁に申請してその認可を受けなければなりません。同条2項により、この手続には法70条3項が準用されるため、土地の所有者等の全員の合意がなければならず、過半数ではありません。
■問題3 正。法76条1項により、建築協定の廃止には、土地所有者等の過半数の合意と特定行政庁の認可が必要です。





井澤ですいざわ

[テーマ問題] (建築基準法)
■問題1(R07-19)
建築協定書の作成に当たって、建築協定区域内の土地に借地権の目的となっている土地がある場合においては、土地の所有者及び借地権を有する者の全員の合意がなければならない。

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次図左側の「一般の土地」には「土地の所有者」しかいませんが、
次図右側の「借地」には「土地の所有者」と、土地を借りる権利をもつ「借地権者」がいて、この両者を「土地の所有者等」といいます(法69条かっこ書)。
No.74
法70条3項により、建築協定書については、「土地の所有者等」(=土地の所有者借地権者)の全員の合意がなければならないのが原則ですが、法70条3項ただし書により、建築協定区域内の土地に借地権の目的となっている土地(借地)がある場合においては、当該「土地の所有者以外土地の所有者等」すなわち「土地の所有者以外の(土地の所有者+借地権者)」つまり「借地権者」の全員の合意があれば足ります。
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[比較暗記法]  「建築協定:土地の所有者等の全員の合意」
(法70条3項ただし書)
借地権の目的となっている土地(借地)がある場合
■「土地の所有者」の合意は不要。(図中×の人)
■「借地権を有する者(借地権者)」の全員の合意は必要。(図中〇の人)
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[テーマ問題の解答]
■問題1 誤。借地については、「土地の所有者」の合意は不要です。――――――――――――――――――――――――
<参考>
アパートの住民が持っているのは借地権(土地を借りる権利)ではなく借家権(部屋を借りる権利)です。





井澤ですいざわ

今回もテーマ問題はありません。
皆さんがお使いの問題集で実際の計算問題を確認してください。

斜線制限等における高低差による緩和について、敷地の地盤面が「高い場合」に緩和があるのか、「低い場合」に緩和があるのか、整理しておきましょう。

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[比較暗記法]  「斜線制限等における高低差による緩和(敷地の地盤面が高い場合?低い場合?)」
道路斜線 (令135条の2第1項)
「建築物の敷地の地盤面が
前面道路より1m以上
高い場合においては」
隣地斜線 (令135条の3第1項二号)
「建築物の敷地の地盤面が
隣地の地盤面より1m以上
低い場合においては」
北側斜線 (令135条の4第1項二号)
「建築物の敷地の地盤面が
北側の隣地の地盤面より1m以上
低い場合においては」
日影規制 (令135条の12第3項二号)
「建築物の敷地の平均地盤面が
隣地又はこれに連接する土地で日影の生ずるものの地盤面より1m以上
低い場合においては」
No.73
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・上図のように「道路斜線制限」の場合だけが、建築物の敷地の地盤面が高い場合の緩和で、それ以外はすべて低い場合の緩和です。
・緩和される理屈は上記★ポイント★で納得できると思いますが、その根本的な理由は高さの起点の違いです。
すなわち、「道路斜線制限」は「前面道路の路面の中心」が高さの起点であるのに対して、それ以外は「建築物の敷地の地盤面」が高さの起点なのです。

・いずれも「高低差から1mを減じたものの1/2だけ」緩和される点は共通です。
・文章問題の誤肢の典型として「高低差の1/2だけ」と出題されたら誤りです。





井澤ですいざわ

今回もテーマ問題はありません。
皆さんがお使いの問題集で実際の計算問題を確認してください。

道路斜線制限の計算問題のほとんどに関わる「2以上の前面道路がある場合」の緩和です。
頻出のポイントです!
斜線制限の最大ポイントです!
最大限に強調しても、強調しすぎということがないくらい重要です。

ズバリ、令132条の読み方です。
まずは「2A以内かつ35m以内」は念仏のように唱えて丸暗記です。
Aは広いほうの道路幅員です。
さらに「その他の前面道路の中心線から10m超」です。
そしてその意味を正しく理解しなければなりません。
すなわち、その区域については狭い道路も広いほうの道路幅員とみなすのです。
広い道路にはなんの緩和もありません。

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[比較暗記法]  「2以上の前面道路がある場合」
No.72-1
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・最大のポイントは、上図の「①の区域及び②の区域については」の部分は、「①の区域も、②の区域も、両方とも」と読むことです。
・したがって、①、②のどちらかに該当すれば、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなします。
・問題集の解説では往々にして①だけの解説としがちですが、①に該当しているならば②を見るまでもないのです。
・次に斜線が実際にどのようになるのか、次の断面図で確認してください。
No.72-2
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次に対面2面道路を確認しましょう。
考え方は上記で説明したL字2面道路と全く同じです。
特に注意して欲しいのは①の区域、②の区域を示す次図の矢印の向きです。
No.72-3







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