TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

建設工事計画届

井澤ですいざわ

届出と提出先の組合せの正誤問題です。

問題
 特定粉じん排出等作業実施届出書 ――――――― 労働基準監督署長


――――――――――――――――――――――――
■解答
 誤。「特定粉じん排出等作業実施届出書」は「都道府県知事」に提出します。


「特定粉じん」とはアスベストのことです。
「特定粉じん排出等作業実施届出書」のように、「周辺環境への配慮」のために行う届出のほとんどは、提出先が「都道府県知事」です。
アスベストが周辺環境へ飛散しないように事前に届出をするわけです。

さて、設問が正しいと思ってしまった方は、次のように考えませんでしたか?

「アスベストの排出作業により、労働災害(健康障害)のおそれがあるから、労働災害の防止ために「
労働基準監督署長」に提出するのでは?」と。

こう思うのも仕方ありません。
実は、このようなアスベストの排出作業による労働災害防止のための届出もあり、それはすでに前回学習した「建設工事計画届」なのです。
前回は、出題の中心である「高さが31mを超える建築物」についてだけ触れましたが、アスベストの排出作業を行う場合にも「建設工事計画届」を提出するのです。

したがって、次のことがポイントとなります。

―――――――――――ポイント――――――――――――
アスベストの除去作業を行う場合は、
■労働災害防止のために
 「建設工事計画届」を労働基準監督署長に提出する。
■周辺環境への配慮のために
 「特定粉じん排出等作業実施届出書」を都道府県知事に提出する。
――――――――――――――――――――――――

この2つの届出を行うのです。
これを知らないで、前者のイメージだけで考えると、「特定粉じん排出等作業実施届出書 → 労働基準監督署長」という誤りの枝に引っかかってしまうわけです。

井澤ですいざわ

今回から届出です。
届出は一級建築士では毎年1問必ず出題されていますので、確実に得点しましょう!

問題1
高さ40mの建築物の新築に先立ち、当該工事の開始の日の14日前までに、「建設工事計画届」を、労働基準監督署長あてに届け出た。
(一級施工:平成24No.4)

問題2
床面積の合計が20㎡である建築物の新築に先立ち、「建築工事届」を、建築主事を経由して都道府県知事あてに届け出た。
(一級施工:平成24No.4)


――――――――――――――――――――――
■解答
問題1、2ともに正

―――――――――ポイント―――――――――
建設工事計画届・・・労働基準監督署長に提出
建築工事届・・・・・都道府県知事に提出
――――――――――――――――――――――
届出の名称が似ていますので紛らわしいですが、少しだけ踏み込んで、目的を理解することで、提出先も覚えやすくなります。

建設工事計画届
労働安全衛生法に基づき、高さが31mを超える建築物の建設等を行う事業場において、危険な工法等が採用されないように事前に労働基準監督署が審査し、労働災害を防止するための届出です。要するに、大規模な建築現場は、大規模な事業場になりますから、そこでの労働災害を防止する必要があります。

建築工事届
建築基準法15条(届出及び統計)に基づき、都道府県知事は建築統計を作成し、国土交通大臣に送付しています。このために、建築物の建築又は除却をしようとする場合は都道府県知事に届出が必要になります。前者が建築工事届であり、後者が建築物除却届です。

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