TAC建築士講師室ブログ

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振動特性係数

こんにちはセイタです
せいた

二級建築士の試験のポイントをご紹介する「動画de二級学科」、第6回目です。

今回は構造の科目の中で、構造設計、鉄筋コンクリート構造についてです。

 

<今週の前半>構造:構造設計(地震力)

二級建築士では、近年、地震力については毎年1問出題されています。

i=Z・Rt・Ai・Co 

地震層せん断力iを決める4つのパラメーター(tio)のうち、振動特性係数tについての解説です。

 

Pointは、

tは、地盤と建築物の振動特性を考慮したoを低減する係数で、1.0をMAXとした1.0以下の値です。

②グラフから、建築物の設計用一次固有周期が大きくなるほど、tの値は小さくなります。

グラフの縦軸、横軸、形についてはざっくりと覚えてしまいましょう

③設計用一次固有周期が長い場合のtは、

第3種地盤(軟弱)>第2種地盤(普通)>第1種地盤(硬質)

→覚えにくいので、解説のような語呂合わせ使って覚えてしまいましょう

 振動は    IKKOさんより    三男が    大きい

振動特性係数  1種(硬質)  <  3種(軟質)構造第4回20

https://youtu.be/gr8ojpToj-s 

 



<今週の後半>構造:鉄筋コンクリート構造 (継手)

二級建築士では、鉄筋コンクリート構造の問題は、毎年2~3問出題されています。

 

鉄筋コンクリート構造において、鉄筋の継手は構造的な弱点となることから、様々な約束事があります。それが試験でもよく問われるんですね。

施工の科目においても、同様によく出題される重要ポイントです

 

Pointは、

①鉄筋の継手は、応力の小さい箇所に設けるとともに、継手を相互にずらして設ける。

②重ね継手において、径が異なる鉄筋同士をつなぐ場合、継手長さは、細い方の鉄筋径に所定の数値を掛けて算定します。

35以上の太い径の鉄筋は、ガス圧接等で接合し、重ね継手は用いない

④鉄筋の径の差が、7㎜を超える場合には原則として手動ガス圧接は使用しない。
構造第5回20
https://youtu.be/uPZ3tB8Afl8



井澤ですいざわ

■問題
必要保有水平耐力Qunは、建築物の一次固有周期を長くすると小さくなる。(一級構造:平成26No.24改)


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■解答 正
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はじめに、この設問は、
「 保有水平耐力 ≧ 必要保有水平耐力 」
における右辺の「必要保有水平耐力」についての設問だということを見極めましょう。
「必要保有水平耐力」は、文字通り「保有水平耐力」として最低「必要」な値です。

■「必要保有水平耐力」の具体的な算出方法は?
(必要保有水平耐力Qun)=(構造特性係数Ds)×(形状係数Fes)×(C01.0の大地震時の地震層せん断力Qud

このD
s、Fes、Qudの中でベースとなるのはQudです。
sとFesは、それを補正するものです。
今回は、ベースとなる「01.0の大地震時の地震層せん断力ud」について扱います。
とは言っても、それはすでに№320から№325で学習した内容になります。

―――――――――ポイント―――――――――
「C01.0の大地震時の地震層せん断力Qud」とは
ud(Z・Rt・Ai・C0)×Wi
の式でC01.0とした値。
――――――――――――――――――――――

あらためてもう一度設問を確認しましょう。
――――――――――――――――――――――
■問題
必要保有水平耐力Qunは、建築物の一次固有周期を長くすると小さくなる。(正)
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この問題は、必要保有水平耐力Q
unというよりは、ud(Z・Rt・Ai・C0)×iの知識を問われているのです。

323No.325で学習したように、
建築物の一次固有周期が長くなるほど、地盤の固有周期との差が大きくなり、共振が生じにくくなり、振動特性係数Rtは小さくなります。
→ したがって、「C01.0の大地震時の地震層せん断力Qud」が小さくなります。
→ したがって、「必要保有水平耐力Qun」が小さくなります。

―――――――考え方のポイント―――――――
一次固有周期が長
→ 振動特性係数Rtが小
→ C01.0の大地震時の地震層せん断力Qudが小
→ 必要保有水平耐力Qunが小
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――補足:「Q・
und」の記号の意味―――
・必要保有水平耐力Qun
・C0=1.0の大地震時の地震層せん断力Qud
の英字の意味は次のとおりです。「Q」と「u」は共通です。

「Q」はせん断力のQ(ドイツ語
Querkraft
u」はultimate(終局) ※保有水平耐力は水平方向の終局耐力です。
n」はnecessary(必要)
「d」はdesign(設計用) ※Qud=(Z・Rt・Ai・C0)×Wiは、実際に生じる地震層せん断力ではなく、あくまで「設計用」の地震層せん断力です。
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井澤ですいざわ

■問題1
第一種地盤で、建築物の設計用一次固有周期Tが長い場合、振動特性係数Rtの値は、Tが長くなるほど小さくなる。(一級構造:平成27No.7)
■問題2
積層ゴムアイソレータを用いた免震構造は、地震時において、建築物の固有周期を長くすることにより、建築物に作用する地震力(応答加速度)を小さくすることができる。(一級構造:平成23No.20改)
■問題3
超高層建築物は、長周期成分が卓越する地震動に対して、低層建築物よりも影響を受けやすい。(一級構造:平成24No.26

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■解答
 問題1、2、3ともに正。
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一見すると関係ないように思われるかもしれませんが、実は大ありです。

■振動特性係数R
t
振動特性係数Rtは、地盤と建築物の共振を考慮した係数です。
地盤の固有周期と建築物の固有周期が一致すると共振により地震力が大きくなります。
一般的には、地盤よりも建築物の固有周期のほうが長いので、建築物の固有周期が長くなるほど、地盤の固有周期との差が大きくなり、共振が生じにくくなり、地震力が小さくなります。それを表すのが振動特性係数Rtです。
したがって、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど、振動特性係数Rtは小さくなります
※問題1の「建築物の設計用一次固有周期Tが長い場合」というのは、「建築物の設計用一次固有周期が地盤の固有周期よりも長い場合」という意味です。

■免震構造
免震構造は、積層ゴムアイソレータ(アイソレータは絶縁という意味)などを履くことによって建築物の固有周期を長くした建築物です。これにより地盤の固有周期との差が大きくなり、共振が生じにくくなり、地震力が小さくなるのです。
原理はまさに、「建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど、振動特性係数Rtは小さくなる」ことなのです。
もっとも、「積層ゴムアイソレータなどで地盤と絶縁されているから地震力が小さい」と考えたほうがイメージしやすいかと思いますが。

■長周期地震動
前回の№322で説明した、「設計用一次固有周期が長い」=「建築物の高さが高い」を思い出してください。
超高層建築物は固有周期が長く、地盤の固有周期との差が大きいため、地震力があまり大きくなりません。
ところが、長周期成分が卓越する地震動(長周期地震動)では、地盤の周期のほうが長くなるため、超高層建築物の固有周期との差が小さくなり、共振によって地震力が大きくなります。したがって、超高層建築物のほうが、長周期地震動の影響を受けやすいのです。

井澤ですいざわ

■問題1
地震地域係数Zが1.0、振動特性係数Rt0.9、標準せん断力係数C00.2のとき、建築物の地上部分の最下層における地震層せん断力係数C10.18とすることができる。(一級構造:平成20No.9)
■問題2
建築物の固有周期が長い場合や地震地域係数Zが小さい場合には、地震層せん断力係数Ciは、標準せん断力係数C0 より小さくなる場合がある。(一級構造:平成21No.8)

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■解答
問題1 正。最下層のAi1.0であるから、
i=Zti01.0×0.9×1.0×0.20.18
なお、設問のC1の「1」は、最下層(1階)の1
問題2 正。問題1のようにCi(0.18)は、C0(0.2)より小さくなる場合がある。

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前回の№320で説明したように、
地震層せん断力Qiの算定における標準せん断力係数C0は、横Gの大きさを表すものです。 なお、Qiの「i」は、「i階の地震層せん断力」という意味です。
00.2ならば、その階の支えている重量Wi0.2倍の水平力が働くことを意味します。 これを式で表せば、
i=C0×Wi (式①)です。
これが地震層せん断力の基本と言えます。

そして、このC
0を補正するものとして、地震地域係数Z、振動特性係数Rt、地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiがあると言えます。これらを考慮すると、式①は次のように表せます。
i(Z・Rt・Ai・C0)×Wi (式②)
この(Z・Rt・Ai・C0)を、地震層せん断力係数Ciと呼んでいます。
これを式で表せば、
i=Ci×Wi (式③)です。

次のようにまとめることができます。
――――――――――――――――――――――
地震層せん断力係数Ciは、横Gの大きさを表すものであり、その基本は標準せん断力係数C0であり、それを補正するものに、地震地域係数Z振動特性係数Rt地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiがある。
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