TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

法規

いざわ
井澤です。

 

一級建築士試験「法規」の制限時間で苦労されている方も多いことと思います。

「本試験での時間短縮」の具体的な方法と、そのために必要な「普段の勉強」のポイントを紹介します。

 

(1)本試験での時間短縮について

法規では「誤っているもの」を選択する問題が多いです。それを例に、各選択肢を「誤りの可能性」等の点から次の4つに分類したとき、次のようなイメージで問題を解いていくことが、本試験の制限時間内で解き終えるためのポイントになります。

特に表の3の選択肢の解き方を間違えると制限時間内では終わりませんので、注意が必要です。

 

選択肢の4つの分類

本試験での解き方

備考

1.暗記している内容で「誤り」を確信できる選択肢

それを解答として、それ以降の選択肢は見ずに次の問題に移る。

それ以降の選択肢を見ていると時間が無くなる。

2.「多分この肢が誤りだろう」と強く思える選択肢

それを法令集で調べて、「誤り」であることを確認する。

3.「この肢が誤りかもしれない」と思う選択肢や、「条文の場所は分かるが、誤りか見当が付かない」という選択肢

(こういう選択肢が多いと思います。)

①そのような選択肢を1肢ごとに法令集で調べず、まずはそれ以降の選択肢も一通り見る

②すべての選択肢を一通り見て、「誤り」の第一候補を法令集で調べる。

③もしも第一候補が外れた場合は、第二候補を調べる。

④もしも第二候補も外れた場合は、第三候補を調べずに、その問題は飛ばして次の問題に移る

・これを1肢ごとに法令集で調べると時間が無くなる。

それ以降の選択肢の中にもっと「誤り」の可能性が高い選択肢があることがあるため、一通り見ることが有効

・左記④の補足
3つの選択肢を調べている時間はない。第二候補も外れるような場合は、勉強量が足りなかったか、若しくは、その問題が難しいのです。

4.条文の場所の見当が付かない選択肢

法令集で調べない。あてずっぽうで条文を探している時間はない。

 

 

本試験での時間短縮のポイントは「多分この肢が誤りだろう」「この肢が誤りかもしれない」という絞り込みができること、そしてその勘所が当たることです。

そのためには問題集の実施あるのみなのです。

 

(2)本試験での時間短縮のための「普段の勉強」におけるポイント

本試験では上記のように短時間で解かなければいけませんが、普段の勉強では、逆に、どうしたら本試験で早く解けるようになるかを「じっくり」考えてください。

具体的には時間短縮のために、次のような対策を「じっくり」行ってください。

1.過去問を理解して覚える。

完全に覚えきれない場合であっても「多分この肢が誤りだろう」「この肢が誤りかもしれない」という勘所が効くようにすることが大事です。

2.線引きを工夫して、条文の内容が一目で分かるようにする。

3.インデックスシールを工夫して、条文の場所に早くたどり着けるようにする。

4.法から施行令に飛んでいる部分を直接施行令に飛べるようにする。

5.電車の中も有効活用する

「過去問を理解して覚える」ためには、必ずしも法令集は必要ありません。したがって、電車の中なども有効に使えます。自宅などでじっくり法令集を見ながら解いた問題の結果を覚えるために、翌日の電車の中で復習することなどもとても有効です。




 

こんにちはセイタです
せいた
いよいよ、二級建築士では明日から受付会場での受験申込がスタートしますね

建築技術教育普及センターのHPをよく確認して、忘れずにお申込みください
 

さて「動画de2級建築士」、第11回目です。

「法規」の中でも、今回は、木造の壁量計算、容積率についてです。

 

<今週の前半>法規:建築基準法 試験によく出る令46条(木造の壁量計算)

二級の試験では、構造強度の分野でも、木造に関しては毎年ほぼ1問出題されており、中でも壁量の計算問題は、過去10年では5回も出題されています。

決して難しくはないので、この類の問題には慣れて必ず解けるようにしましょう

 

Pointは、

①張間方向、けた行方向、別々に、壁の種類ごとに、46条4項表1から正確に壁倍率を拾い出す

②壁倍率=(壁の種類による倍率)+(筋かいの倍率)

③実際の軸組み長さに、②で求めた壁倍率を乗じたものの合計が「構造耐力上有効な軸組の長さ」

 

法規第5回20
https://youtu.be/CmXYeJZK_8U 
 


<今週の後半>法規:試験によく出る容積率

容積率を求める計算問題は、毎年ほぼ1問出題されます

今回の解説にあるような、「敷地が2つの用途地域にまたがる場合」の容積率の考え方は必ずマスターしましょう

 

Pointは、

①容積率は、前面道路幅員に関係するため、「指定容積率」と「全面道路幅員による容積率」のいずれか厳しい値を使って算定する。

②敷地が2以上の用途地域にわたる場合の容積率の算定は、それぞれの地域ごとに延べ面積の最大限度を求め、最後に足し合わせる(法52条7項)。

③前面道路幅員は、接する敷地の最大幅員の道路を採用する。

④③の道路幅員に乗じる数値は、住居系の用途地域の建築物=4/10、その他の用途地域の建築物=6/10は覚えてしまおう

 

法規第6回20
https://youtu.be/8XQJyOKM-34 

容積率については、この他にも、法52条3項、6項、8項、9項の緩和規定を押さえておきましょう







こんにちはセイタです
せいた

二級建築士の試験のポイントをご紹介する「動画de2級建築士」、第10回目です。

「法規」の中でも、今回は防火関係規定、一般構造規定についてです。

 

<今週の前半>法規:建築基準法 試験によく出る防火区画

二級の試験では、「防火区画」の問題は毎年1問出題されます。

令112条の条文は16項まであってとっても長いですが、出題される箇所は限られています。

必ず得点できるようにしましょう

 

Pointは、

①よく出題される「竪穴区画」、「異種用途区画」について必ず解けるように。

→令112条9項、12、13項が読めればOK

②給水管などの配管が貫通する場合の措置

 →令112条15項が読めればOK

 

法規第3回20
https://youtu.be/yscP72XryrY


 

<過去の本試験では>

①主要構造部を準耐火構造とした3階建、延べ面積220㎡の一戸建住宅においては、原則として、階段の部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。

②主要構造部を準耐火構造とした3階建の事務所において、3階部分に事務室を有する場合は、原則として、1階から3階に通ずる階段の部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。

 

 

①:○(令112条9項二号。設問は200㎡を超えているため防火区画しなければならない。)

②:○(令112条9項。)

 



 

<今週の後半>法規:建築基準法 試験によく出る採光

平成25年以降、近年、採光の計算問題はずっと出題されていませんでしたので、このままずっと出題されないのか?と思いきや、昨年久々に出題されました

やはり、定番問題として解けるようにしておかなければいけませんね

 

Pointは、

①計算方法は条文で調べながら解くのではなく、基本(下記②)は覚える

住宅の場合の床面積に掛ける割合:/

住居系地域の場合の採光補正係数/h×6.0-1.4

③出題が②以外であれば、条文で数値を調べる

法規第4回20
https://youtu.be/9OjRQ2TNR4M







こんにちはセイタです

せいた
二級建築士の試験のポイントをご紹介する「動画de2級建築士」、第9回目です

今回から科目は「法規」になります

二級建築士の試験では、法規25問中、20問が建築基準法からの出題、その他関係法令から5という出題傾向があります

 

<今週の前半>法規:出題概要と法規の勉強の注意点

近年の二級建築士の法規の傾向は、「問題文が長くなってきている!」ことが大きな特徴です。

●1度読んでも結局何を言っているのか?よく分からない

→何度も読み返す。

→時間が足りなくなる

→得点が伸びない

 

Pointは、

①主語、述語を確実に拾い、途中の細かい情報を一旦飛ばして読む。

→主語、述語にアンダーライン、マーカーなどすると良い。

②問題文の中からキーワードを探す。

→キーワードを手がかりに、法令集を引く。
法規第1回20
https://youtu.be/FakkKlbl8go



<今週の後半>法規:建築基準法 試験によく出る用語(建築面積)

法を読み、理解するためには用語は非常に大事です。

用語に関する問題も、毎年ほぼ1問出題されています。

今回は令2条1項四号「建築面積」について。

 

Pointは、

①建築面積に算入しない部分は、法令集で毎回調べるのではなく覚えること。

→軒、庇、バルコニーなどで、先端から水平距離1m以内の部分

→地階で、地盤面上1m以下にある部分

 

覚えられる内容は覚え、覚えられない内容のみ法令集で確認する(時間短縮のため)

法規第2回20
https://youtu.be/ctKqfZQpADM





井澤ですいざわ

この週末で、いよいよすべての教室で1、2級建築士講座が開講されました。
みなさん、もう「本気モード」でやる気スイッチを入れなきゃだめですよ!

受講生の方には今年度TACから創刊された「建築基準関係法令集」が配付されました。
TAC出版ホームページ
http://bookstore.tac-school.co.jp/kenchiku2014/
に「特製インデックスシールの効率的な貼り方・使い方(動画付!)」、「線引き集」が公開されていますから、それを見て、必ず法規の開講までにインデックスを貼り、線引きを終えてくださいね。
これが終わっていないと
法規の講義についていけませんよ!


インデックス、線引きに必要な時間の目安
インデックス貼りは1時間程度、
線引き第1回配信分は5時間程度
線引き第2回配信分は7時間程度
(最後となる第3回配信分は1/31予定です)
はかかると思いますので、コツコツ地道に進めてください。

ソフトブルーマーカーについて
線引き集のコンセプト
http://bookstore.tac-school.co.jp/pdf/concept.pdf
PILOT FRIXION(フリクション)を推奨していますが、もしかしたら最寄りの文房具屋さんに「④ ソフトブルーマーカー」がないかもしれません。
そのときは少し濃いかもしれませんが、「ブルーマーカー」を使ってください。(逆に「ソフトブルーマーカー」は少し薄いです。)

★フリクションを使うときの注意★
フリクションは間違えたときにラバーでこすると消えて大変便利ですが、熱が裏面に伝わって裏面に引いた線引きが消えることがありますので、ラバーでこすったときは裏面をチェックしてくださいね。
まさにマーカーならぬマジックです!
あれ、さっき引いたのになぁ・・・とキツネにつままれます。

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