井澤ですいざわ

■問題1
耐火建築物の場合、火災の初期段階における煙層の厚さは、火源面積に支配される。
(一級環境・設備:平成6年No.7)

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初期火災
 煙層の厚さや降下する速度は
 火源の面積に支配される。
 これを「燃料支配の火災」という。

盛期火災
 燃焼の継続は
 開口部から流入する空気量に支配される。
 これを「換気支配の火災」という。
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■問題1解答
 正

上記の「盛期火災」において、「燃焼の継続は、開口部から流入する空気量に支配される。」というなかの「支配される」という表現に注意が必要です。
つまり、盛期火災において、「開口部から流入する空気量」が多いほど火災継続時間が長くなるというわけではありません。

ここが難しいところですが、「開口部から流入する空気量」が少なくても火災で酸素が消費し尽くされて早く鎮火しますし、逆に、「開口部から流入する空気量」が多くても材料が早く燃え尽きるので火災継続時間は短くなります。
その点が平成24No.5で次のように出題されています。

■問題2
室内の可燃物量が同じ場合、一般に、外気が流入する開口面積が大きいほど火盛り期の火災継続時間が長くなる。
(一級環境・設備:平成24No.5)

■問題2解答
 誤。外気が流入する開口面積が大きいほど、材料が早く燃え尽きるので火災継続時間は短くなります。