井澤ですいざわ

■問題1
単板積層材(LVL)は、厚さが3mm程度の単板を繊維方向がほぼ平行となるようにして積層接着したものである。(二級構造:平成24No.20
■問題2
普通合板は、木材を薄くむいた単板を互いに繊維方向を直交させて積層接着させたもので、異方性の少ない面材である。(一級構造:平成13No.23
■問題3
集成材は、ひき板又は小角材等をその繊維方向を互いにほぼ平行にして、厚さ、幅及び長さの方向に集成接着した材料である。(一級構造:平成17No.23
■問題4
直交集成板(CLT)は、ひき板又は小角材等をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ又は接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせた材料である。(オリジナル)
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■解答
 問題1、2、3、4とも正。
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合板と集成材は定番の問題です。
単板積層材(LVL)は近年の二級建築士の出題です。
直交集成板(CLT)は予想オリジナル問題です。

直交集成板(CLT)
は、木造建築物の普及促進の取り組みの一つとして、CLTを用いた建築物の一般的な設計法等に関する告示が制定され、大臣認定が不要となったことで注目されています
平成28年3月31日付の国交省のプレスリリースもご確認ください。
http://www.mlit.go.jp/common/001125537.pdf

ポイント

 

繊維方向を平行に積層

繊維方向を直交して積層

単板(べニア)
厚さ数mm

単板積層材 LVL
(Laminated Veneer Lumber)

合板

ひき板(ラミナ)
厚さ数cm

集成材

直交集成板 CLT
(Cross Laminated Timber)

用途

柱・梁など軸材として使用

面材として使用


Laminatedは、ラミネート加工のことで、複数の材料を積層させるという意味です。
Lumber(北米)Timber(英国)は、どちらも「材木」という意味です。

直交集成板に関するオリジナル問題は、上記プレスリリースにも、「直交集成板の日本農林規格(JAS)」にも掲載されている定義です。「繊維方向を互いにほぼ平行」と「繊維方向を互いにほぼ直角」とが混在していてわかりにくいかもしれませんが、これについては同プレスリリースの図1を見ていただくのが一目瞭然です。