井澤ですいざわ

■問題
設備診断における物理的劣化とは、設備システムの劣化のうち、要求機能の変化や技術革新による陳腐化が要因となって生じるものである。(一級環境・設備:平成14No.18改)

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当然のことながら、設備の性能は、要求性能以上であることが求められます。
すなわち、「設備の性能」≧「要求性能」 です。
これが、「設備の性能」<「要求性能」となってしまうことを設備の劣化といいます。

この劣化が生じる原因には、次の2つが考えられます。

一つ目は左辺の
「設備の性能」が低下すること。
例えば設備部品の摩耗・消耗・腐食等による現状性能の低下です。
これを物理的劣化といいます。物理的要因に起因するという意味です。
一般に劣化と言えばこれがイメージされます。

二つ目は右辺の「要求性能」が向上すること。
例えば技術革新により高性能の設備が登場したり、法が改正されたりすることによって、使用者の要求性能が向上する場合です。
この場合には、左辺の現状性能は変わらないのに、右辺の「要求性能」が向上することによって、大小関係が逆転して「劣化」に該当してしまいます。
これを社会的劣化といいます。社会的要因に起因するという意味です。

――――――――ポイント――――――――
・物理的劣化
 設備の性能の低下による劣化
・社会的劣化
 要求性能の向上による劣化
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■解答
誤。設問は社会的劣化のことです。