井澤ですいざわ

この連載では、まずはじめに「環境・設備」から室内環境、換気、伝熱・結露・・・と概ねTAC建築士講座のカリキュラム順にテーマを選んでいるのですが、今回は換気の話ということで、いわば復習になります。

■問題
空気齢は、時間の単位をもつ換気効率に関する指標であり、その値が小さいほど発生した汚染物質を速やかに排出できることを意味する。(一級環境・設備:平成22No.3

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空気齢は、換気効率の指標です。

①空気齢
 給気口から入った新鮮空気が、室内のある点に至るまでの時間。局所空気齢ともいう。
②余命
 室内のある点から排気口に至るまでの時間

③空気寿命
 給気口から排気口に至るまでの時間
kuukirei


■給気口付近
給気口付近の点は、一般に、空気齢が短く、余命が長い。
空気齢が短いほど、新鮮空気が速やかに到達します。

■排気口付近
排気口付近の点は、一般に、空気齢が長く、余命が短い。
余命が短いほど、発生した汚染物質が速やかに排出されます。

理想的なのは、空気齢、余命ともに短くなるような、つまり空気寿命が短くなるような換気です。その場合には速やかに部屋全体の空気が入れ替わります。
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■解答

誤。設問は「空気齢」ではなく、「余命」の誤りです。

★注意★
空気齢は、室内のある点に注目しています。決して新鮮空気が「部屋全体に行き渡る時間」ではありませんので、注意してください。「部屋全体に行き渡る時間」と勘違いすると、新鮮空気が早く到達するならば、汚染物質も早く排出される、と勘違いしてしまいます。