TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

群杭

井澤ですいざわ

群杭の続きです。

■問題1
一様な地盤における水平地盤反力係数は、一般に、杭径が大きくなるほど小さな値となる。(一級構造:平成25No.24
■問題2
群杭基礎の水平地盤反力係数は、一般に、各杭を単杭とみなしたときの水平地盤反力係数の総和よりも小さな値となる。(一級構造:平成25No.24

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■解答
問題1 正。
問題2 正。n本の杭からなる群杭の水平地盤反力係数(地盤の硬さ)は、単杭の水平地盤反力係数のn倍よりも小さい。
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はじめに、
水平地盤反力係数とは、「水平力に対する地盤のヤング係数」です。
「ヤング(若い)は硬い」(下ネタ)ですから、要するに、水平地盤反力係数とは地盤の硬さ」です。
水平地盤反力係数が大きく、地盤が硬ければ、地盤から受ける反力も大きくなります。

■水平地盤反力係数と杭径
ここで注意が必要なのは、
「地盤」の水平地盤反力係数が、「杭」の径によって変わるということです。
次図のとおり、杭径が大きいほど、水平方向の応力伝達範囲が大きくなり、地盤の変形が大きくなるため、地盤が「柔らかく」なってしまうのです。
つまり、杭径が大きいほど、水平地盤反力係数が小さくなるのです。

coefficient of horizontal subgrade reaction

■水平地盤反力係数と群杭
群杭でも同じことが言えます。
群杭は、全体が一つのブロックとして挙動するため、杭径が大きくなったのと同じです。
つまり、群杭は、水平地盤反力係数が小さくなるのです。


――ポイント
水平地盤反力係数と杭径・群杭――
杭径が大きくなると、水平地盤反力係数が小さくなる。
群杭は、水平地盤反力係数が小さくなる。
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井澤ですいざわ

■問題1
群杭基礎の場合、通常、その水平耐力は、各杭を単杭とみなしたときの水平耐力の総和よりも小さい値となる。(一級構造:平成6年No.19
■問題2
群杭の引抜き抵抗力は、「群杭全体を包絡するブロックとしての抵抗力」と「各単杭の引抜き抵抗力の合計」のうち、大きいほうの値とする。(一級構造:平成19No.18
■問題3
1本当たりの鉛直荷重が等しい場合、群杭の沈下量は、一般に、単杭の沈下量に比べて小さい。(一級構造:平成17No.19

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■解答
問題1 正。n本の杭からなる群杭の水平耐力は、単杭の水平耐力のn倍よりも小さい。
問題2 誤。「小さいほうの値」とする。一般に、n本の杭からなる群杭の引抜き抵抗力は、単杭の引抜き抵抗力のn倍よりも小さい。
問題3 誤。群杭は、応力伝達範囲が大きくなり、沈下量が大きい。
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「群杭」
とは、杭が密集しているため、杭の支持力、抵抗、変位、変形に対して杭相互の影響を受ける複数の杭をいいます。
一方、杭の間隔が広く、周りの杭の影響を受けない杭を「単杭」といいます。

■群杭の支持力、抵抗
群杭は、全体が一つのブロックとして挙動します。
群杭の中央部分の地盤は群杭と一体になって挙動しますので、その部分の地盤の支持力、抵抗はあまり期待できません。
したがって、n本の杭からなる群杭の支持力、抵抗は、単杭のn倍よりも小さくなります。
したがって、問題1の「水平耐力」、問題2の「引抜き抵抗力」は、一般に、群杭のほうが小さくなります。

■群杭の沈下量
沈下量について、群杭は、全体が一つのブロックとして挙動しますので、底面積が大きな基礎と同様に、圧縮力が及ぶ応力伝達範囲が大きくなり、地盤の沈下量が大きくなります。
次図は、平板載荷試験に関して、直径30cmの載荷板と、実際の基礎では圧縮応力が及ぶ「応力伝達範囲」が異なることを示す図ですが、この「応力伝達範囲」で沈下が起こるわけですから、底面積が大きな基礎と同様に、群杭の沈下量が大きくなることが分かると思います。
internal force zone

―――ポイント:群杭――――――――――――
群杭は
■支持力、抵抗 → 小さくなる。
■沈下量    → 大きくなる。
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