井澤です
■問題
普通コンクリートの品質基準強度は、特記のない場合、設計基準強度または耐久設計基準強度のうち、大きい方の値とする。(一級施工:平成17年No.11)
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■解答 正
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前回は、基準強度と設計基準強度を学習しました。
今回は、品質基準強度、設計基準強度、耐久設計基準強度です。
まず結論を次図で確認してください。
■品質基準強度
品質基準強度とは、構造体コンクリートが持つべき品質としての強度です。
構造体コンクリートとは、構造体=躯体として打ち込まれたコンクリートです。
品質には「強度」と「耐久性」の2つがあります。
■品質のうち「強度」については、前回学習したとおり、設計基準強度を確保しなければなりません。
復習になりますが、設計基準強度とは、コンクリートを何N/㎟の強度と考えて構造設計をしたか、という値であり、施工時、その強度が確保されるようにコンクリートの調合をしなければなりません。
■耐久設計基準強度
品質のうち「耐久性」については、耐久性(年数)を強度に換算した値を用います。それが「耐久設計基準強度」です。
耐久設計基準強度とは、「構造体の計画供用期間の級に応ずる耐久性を確保するために必要とする強度の基準値」です。
具体的には次のとおりです。(表の値自体は試験対策上、重要ではありません。)
計画供用期間の級 |
供用限界期間 |
耐久設計基準強度 |
短期 |
およそ30年 |
18N/㎟ |
標準 |
およそ65年 |
24N/㎟ |
長期 |
およそ100年 |
30N/㎟ |
超長期 |
およそ200年 |
36N/㎟ |
一般に、強度が高いと、コンクリートが緻密に打ち込まれ、耐久性も向上するので、耐久性を強度に換算するのです。
では問題です
■問題
計画供用期間の級が「長期」で、設計基準強度が24N/㎟の建築物において、特記がない場合、コンクリートの品質基準強度はいくつか?(オリジナル)
■解答
計画供用期間の級が「長期」で、およそ100年の耐久性を持たせようとする場合、30N/㎟の強度を持たせたコンクリートの緻密さがないとダメ。したがって、強度だけ見れば24N/㎟で良いとしても、品質基準強度は30N/㎟としなければならない。
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