井澤です。
今回から、出題頻度が特に高い「歴史的建造物の保存・再生」です。
東京・日本橋にある三井本館は、現在でも銀行として利用されているため、中に入ることができます。大理石の列柱が本当に素晴らしいです。
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中京郵便局(なかぎょう)(京都府)
■問題191
中京郵便局(京都市)は、明治時代に建てられた煉瓦造(れんがづくり)の洋風建築であり、ファサードの一部を保存し、内部を一新して鉄筋コンクリート造の建築物とすることにより、現在でも郵便局として利用されている。
(一級計画:平成23年No.3)
■リンク
http://archirecords.com/blog-entry-129.html
■解答 正。
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三井本館(東京都)
■問題192
三井本館(東京都中央区)は、国の重要文化財に指定された建築物であり、重要文化財特別型特定街区制度を適用して超高層ビルと一体的に再生され、現在でも銀行やオフィスビルとして利用されている。
(一級計画:平成23年No.3)
■リンク
http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2009/0602/
■解答 正。
比較暗記法No.193(三井本館)も参照してください。
http://kentikushi-blog.tac-school.co.jp/archives/43886686.html
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自由学園明日館(みょうにちかん)(東京都)
■問題193
自由学園明日館(東京都豊島区)は、F.L.ライトと遠藤新とが設計した木造校舎であり、国の重要文化財の指定を受けて、使い勝手を向上させながら耐震補強等の改修がなされ、現在では結婚式やパーティーにも利用されている。
(一級計画:平成23年No.3)
■リンク
https://www.jiyu.ac.jp/jiyu/jiyu_a6.html
↑自由学園のホームページです。
■解答 正。
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東京駅丸の内駅舎(東京都)
■問題194-1
東京駅丸の内駅舎(東京都千代田区)は、辰野金吾が設計した赤レンガのファサードをもつ駅舎であり、特例容積率適用区域制度を適用して未利用容積を別の敷地に売却して事業費を捻出し、戦災により焼失した部分の復元を行っている。
(一級計画:平成23年No.3改)
■問題194-2
東京駅丸の内駅舎(東京都千代田区)は、敷地の余剰容積を他の敷地に移転できる制度を活用して、大正時代に竣工した鉄骨レンガ造の歴史的建造物を再生・利活用している。
(一級計画:令和4年No.17改)
■リンク
http://www.kajima.co.jp/tech/tokyo_station/album/index-j.html
↑保存・復原工事を請け負った鹿島建設のホームページです。さすが素晴らしい写真です。「内観」には、免震装置、オイルダンバーの写真もあります。
■解答
問題194-1 正。平成23年No.3の出題は、「特例容積率適用区域制度」の部分が「総合設計制度」になっている誤りの枝でした。設問は、それを正しくした問題です。
問題194-2 正。令和4年No.17の出題は、主語が「国際子ども図書館(東京都)」になっている誤りの肢でした。設問は、それを正しくした問題です。
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同潤会青山アパート(東京都)
■問題195
同潤会青山アパート(東京都渋谷区)の市街地再開発事業においては、従前の建築物のうちの1棟を集合住宅として保存し、その他は集合住宅から商業施設に転用している。
(一級計画:平成21年No.3)
■リンク
従前の同潤会青山アパート
http://www.uraken.net/rail/travel-urabe31.html
表参道ヒルズ
http://arch-hiroshima.main.jp/main/a-map/tokyo/ohills.html
■解答 誤。
同潤会青山アパートは、全て解体され、保存も転用もされていません。
新たに建てられた商業施設と集合住宅の複合施設「表参道ヒルズ」は、安藤忠雄氏の設計です。その一部の「同潤館」ブロックは、同潤会青山アパートの外観を再現したものになっています。
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