TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

製図

皆さんこんばんは、TAC講師の清田(セイタ)です。
seita2
まずは、本日、二級建築士設計製図試験を受験された皆さま、大変お疲れ様でした。
出来はいかがでしたでしょうか?
それでは、どこよりも早い速報(プラン)をお届けします
(只今、2020.09.13 18:10です)

まずはTACオリジナル 参考答案プラン①
令和2年TACオリジナル本試験答案01

続いてTACオリジナル 参考答案プラン②
令和2年TACオリジナル本試験答案02

今年の課題は要求室に特に大きなサプライズ条件はなく、最後まで描きあがった方が多かったのではないでしょうか。
また「階段の蹴上げ、踏面の寸法の指定」、「外壁の仕上げ(乾式工法)」、「2階のバルコニー」などは今年も引き続き出題され、近年の試験のスタンダードとなったようですね。
以下、課題のポイントを示します。

●接道条件は南・西の2面道路
南・西道路の道路幅員は、両方とも同じ幅員ですのでシェアハウス・住宅のアプローチをどちらからとっても解答できるパターンです。
上記、2つの参考答案プランはそれぞれ別のアプローチの取り方で計画しています。

●敷地の条件
敷地内に斜線が2箇所ありました。
(注1)の交差点付近の7m部分は、①自動車の駐車スペースとしてはいけない、②自動車の出入口を設けてはいけない、という条件です。
したがって、それ以外のもの(建物の出入口や建物自体、また駐輪スペースなど)がかかっていても問題ありません。
(注2)部分は、建築物の外壁等を計画してはならない、とあります。
つまり、軒の出、庇、バルコニーもかかってはいけないということです。

●要求室
1階は、建物内部において「シェアハウス」「住宅」できちんとゾーニングを分けて計画し、内部で行き来できる動線を確保しないといけません。
また、1階にLDK(A)、LDK(B)の2つのLDKが要求され、その配置に迷った方が多かったのではないでしょうか。上記、参考答案プラン

●1階床レベルの指定なし
玄関廻りを含めた床レベルの指定はありませんでしたので、自分で自由に設定すればよいです。
建物内部についての段差については特に条件がないので、玄関内部に段差がある場合は「踏み台」で処理すればよいでしょう。

なお、敷地内の通路に高低差が生じる場合は、スロープが必要となりますので、住宅の玄関部分だけでなく、シェアハウスの玄関部分にもスロープが必要です。

●要求図書について
特に目新しい条件はありませんでした。
ただし、矩計図の切断位置の条件をよく読み取る必要があります。
①1階及び2階の外壁を含む部分
⇒内壁ではなく、外壁部分で切ること。平家ではなく総2階部分で切ること。
②1階又は2階の少なくともどちらかに開口部を含むものとする
⇒切断位置において、1階または2階のどちらか最低1か所以上、開口部がなければならない。
(逆を言えばどちらかは外壁で構わない。)

なお、切断位置をバルコニー部分に設定することは、違反にはなりませんが極力避けるべきでしょう(作図上)。


総体的には大きなサプライズはなく、難易度も標準的なものであったことから、
条件違反がなく、記入漏れもなく、良い作図表現で仕上げることが合格に近いと考えられます。

では、明日13時頃までの講評第2弾(TACの課題における対応等)を本ブログにアップします。
お楽しみに



こんにちは
TAC二級建築士の講師の清田(セイタ)ですseita2
新型コロナの影響で実施が懸念されましたが、本日、令和2年9月13日(日曜)に実施の二級建築士設計製図試験の課題が発表されました。
発表課題のポイントをどこよりも早く速報としてお伝えします!
 
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シェアハウス併設した高齢者夫婦の住まい(木造2階建て)」

◆要求図書
1階平面図兼配置図[縮尺1/100]
2階平面図[縮尺1/100]
2階床伏図兼1階小屋伏図[縮尺1/100]
立面図[縮尺1/100]
矩計図[縮尺1/20]
面積表
計画の要点等
(注)答案用紙には、1目盛が4.55ミリメートル(矩計図については10ミリメートル)の方眼が与えられている。

◆注意事項◆
試験問題を十分に読んだうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。
なお、設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図書に対する重大な不適合」と判断されます。
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以下、課題のポイントです。

1.シェアハウス
近年、若年単身世帯を中心に注目を集めている「シェアハウス」の出題です。1つの建物に親族ではない複数の入居者が共同で生活する賃貸住宅の一種です。
●どの室を共用するか?
他の入居者と共用する空間としては、リビング、台所、浴室、洗面、便所などが想定できます。特にリビングは、様々な国籍・年代・職業の入居者達が集い、多様な出会いや交流を楽しむことができるよう、明るく開放的な広い空間が求められるのではないでしょうか。
また入居者が集いやすい、中心的な配置が想定されます。
●入居者は何人か?
入居者の各室は、同じ大きさの個室を計画すればよいわけですが、問題は何人の入居者がいるのか?によって建物のボリュームが大きく変わり、計画を大きく左右する重要な条件となるでしょう。

2.高齢者夫婦の住まい
高齢者が住まうので、当然、バリアフリーの計画が求められるでしょう。高齢者配慮だけでなく、車椅子使用に配慮することも想定しておくべきでしょう。
具体的には、
●スロープの計画
●車椅子使用者用の駐車スペースの計画
●広めの廊下の幅、出入口の幅
●広めの洗面脱衣室、浴室、便所、手すりの設置
●上り下りしやすい階段(段差・踏面の寸法の指定)、屋内エレベーターの設置
などが想定されます。

3.要求図面について
平成25年以来、7年ぶりの「矩計図(かなばかりず)」の出題です。
試験の見直し後、平成26年以降は「部分詳細図」+「断面図」のセットが出題の定番でしたが、今年の要求図書は昔に戻ったとも言えます。
作図のボリュームは「部分詳細図」よりもはるかに多いので、適切な訓練でのスピードアップが必須となるでしょう。

4.注意事項
昨年に引き続き「注意事項」が発表されました。問題文に忠実に従ったプランニング・作図を行っていない場合は、大きな減点となることが示されているので、問題文の条件の「読み間違い」、「読み落とし」、「思い込み」のないプランニング・作図を行う訓練を徹底的に行う必要があるでしょう。

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以上、課題から読み取れることを速報としてお伝えしました。

●TACの二級建築士設計製図コースのご案内
TACの二級建築士設計製図コースは厳選した「7課題」で合格できる講座です。
9月の設計製図試験までの2~3か月で、消化しきれないほどの膨大な量の課題をこなすことは、効率的な学習とは言えません。
厳選した課題を繰り返し、1つ1つの課題を完全消化する行うことが合格への近道と考えます。
無理なく無駄なく合格しましょう!

詳細はこちらをご覧ください。
定員がありますので、お申込みはお早めに。

●二級建築士「課題の概要説明会」を実施いたします!
・新宿校  7/8(水)19:00~20:00
・渋谷校、梅田校  7/12(日)11:00~12:00
私、清田は渋谷校にて講義します。ふるってご参加ください。
一緒に合格を勝ち取りましょう!


■参考図面■
平成25年「レストラン併用住宅」のTACオリジナル答案例です。
今年と同じ、矩計図の作図要求なので作図量の参考にしてください。
★H25-2Q製図-本試験-答案例_2019設計早期


いざわ
井澤です。

一級建築士設計製図試験に合格された皆様、誠におめでとうございます。

さっそくですが、合格発表を受けての講評です。

1.ランクの割合について

合格率36.6%という新試験制度以降最低の合格率となりましたが、学科試験の合格率が22.8%と高かったことも影響していると考えられます。

驚くのは、ランクⅡが3.0%、ランクⅢが29.2%、ランクⅣが31.3という内訳です。

(1)設計条件・要求図面等に対する重大な不適合

下記の「合格基準等について」をご覧ください。
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-gokaku201912.files/1k-seizu-gokakuhappyo-2019.pdf
採点ポイント(5)⑥において「PS・DS・EPS」が明記され、それらが計画されていないものは、それだけでランクⅣに該当したおそれがあります。
⑦の「法令の重大な不適合等」については、次の(2)に大きく関連します。

(2)受験者の答案の解答状況

上記「合格基準等について」の「採点結果の区分(成績)」「受験者の答案の解答状況」には次のとおり記載されています。
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ランクⅢ及びランクⅣに該当するものが多く、具体的には以下のようなものを挙げることができる。
・設計条件に関する基礎的な不適合:
「要求されている室の欠落」や「要求されている主要な室等の床面積の不適合」
・法令への重大な不適合:
「延焼のおそれのある部分の位置(延焼ライン)と防火設備の設置」、「防火区画(特に吹抜け部の1階部分の区画)」や「直通階段に至る重複区間の長さ」等
・その他建築計画に基本的な問題があるもの:「吹抜けの計画(吹抜けとなっていないもの)」等
――――――――――――――――――――

①上記の「要求されている主要な室等の床面積の不適合」について
・多目的展示室の200㎡「以上」、創作アトリエの計150㎡「以上」、アトリエA・B、C・Dの「各」約50㎡、「各」約25㎡、屋上庭園の150㎡「以上」などに反した場合には、ランクⅢ、Ⅳという厳しい評価を受けたと考えられます。
・なお、標準解答例②では、多目的展示室の東側壁面を柱心からずらして200㎡を確保しています。
・また、標準解答例①、②では、荷解き室、ポンプ室については、要求面積の10%超が見られます。

②上記の「法令への重大な不適合」について
延焼ライン、防火設備、防火区画、重複区間についてのミスが、ランクⅢ、Ⅳという厳しい評価につながったと考えられます。

2.標準解答例について

https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2019-2nd-hyojunkaito.pdf


(1)標準解答例①

・多目的展示室の上部に屋上庭園を計画しています。
・展示関連諸室は、1階に多目的展示室と展示室C、2階に展示室AとBが計画されています。
・アトリエ関連諸室は、2階にアトリエA、C、D、準備室、3階に創作アトリエ、アトリエB、講師控室が計画されています。
・展示室C、アトリエC、Dなどは無窓です。

(2)標準解答例②

・多目的展示室の上部に創作アトリエを計画しています。
・メインエントランスを東側に計画しています。
・多目的展示室は、8mスパンを使い、東側壁面を柱心からずらして200㎡を確保しています。
・展示関連諸室は、多目的展示室以外はすべて2階にまとめて計画されています。
・アトリエ関連諸室は、すべて3階にまとめて計画されています。屋上庭園を最小限の150㎡としているため、3階にすべて計画できています。

3.まとめ

近年は設計製図試験の内容と水準について、「建築士が本来身に付けておくべき知識と能力」として、「建築基準法等が定める最低の基準に準拠した図面を作成できる能力」を確かめるものであるということが強調されており、採点上も「法令への適合」の比重が高まったことを強く感じさせる試験となりました。

合格した皆様、心よりお祝い申し上げます。
また、残念な結果に終わった方も捲土重来です。来年はぜひとも合格を掴み取ってください。
TACは全力で受験生の皆様を応援いたします。




二級建築士_TACオリジナル解答プラン

↑まずは今年の試験のTACオリジナル解答プランです。
seita2
さて皆さんこんばんは、二級講師の清田(セイタ)です。

 

本日は二級建築士設計製図試験、大変お疲れ様でした。

皆さんは、いかがでしたでしょうか?

では、どこよりも早い速報(プラン)をお届けします

 

今年の課題は要求室に特に大きなサプライズ条件はなかったものの、既存樹木が建物の配置計画に大きな影響を及ぼし、難しく感じた受験生もいた模様です。
また平成29年の課題条件が引き続き出題されたことも大きな特徴でした。

以下、課題のポイントを示します。

●外壁の仕上げ→乾式工法
平成29年の出題と同じでした。乾式工法→窯業系サイディングなどとすれば良く、TACの課題でもやっていたので十分対応できたと思われます。

●バルコニーの出題
実務ではほとんどの住宅にあるものですが、なぜか試験では出題されなかった「バルコニー」
そろそろ出題の可能性を感じ、TACの課題でも課題の中でインナーバルコニーをやっていましたので対応できたのではないでしょうか。

●階段の踏面、蹴上げの寸法指定
こちらの条件も、過去の試験(平成29年の出題)と同じでした。TACの課題でも7課題中、2課題でやっていましたので大丈夫だったのではないでしょうか。

●部分詳細図
2階屋根部分の出題でした。TACの課題でもやりましたので、対応できたのではないでしょうか。


総体的には、大きなサプライズはなかったものの、やはり敷地の「既存樹木」が計画のキモとなり、プランニング力が試された試験であったと言えるでしょう


では、明日15時頃までの講評第2弾を本ブログにアップします。
お楽しみに





【お知らせ】
先日、令和2年試験より受験資格の緩和について公表されました!
二級から一気に一級まで合格を目指す方向けに2つのイベントをご用意しました

受験資格緩和イベント開催!!
Ⅰ「無料セミナー」参加無料・予約不要

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【実施概要】
●日時 9/23(月・祝)14:00~15:00
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●日程 9/29(日)0:00~23:00
●実施形態 TAC Web SchoolのWeb上のみ
●対象コース 2020年一級総合学科本科生・学科本科生
●対象者 二級受験経験者

詳細はこちら(PDF)

ほんだこんにちは、ホンダです。

本日、平成30年の一級建築士試験の最終合格発表がありました。

●実受験者数 学科25,878名 製図9,251名(前年8,931名)
●合格者数  学科4,742名   製図3,827名(前年3,365名)
●合格率   学科18.3%  製図41.4%(前年37.7%)
●総合合格率 12.5%
※総合合格率とは、今年学科試験から受験した方と、今年設計製図試験のみを受験した方の総数30,545名に対する最終合格した方3,827名の割合です。

合格者のうち、26.7%が女性となりましたから、4人に1人以上は女性という結果でした。

建築技術教育普及センターのページ
から、標準解答例等もご覧いただけます。


合格した皆様、心よりお祝い申し上げます。
また、残念な結果に終わった方も捲土重来です。来年は合格を掴み取ってください。


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