TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

課題

かんべこんにちは、カンベです。

 今年度の一級の設計製図課題は、「小規模なリゾートホテル」と発表されました。
 複合施設以外のホテルの出題は、平成3年の「シティホテル」、昭和63年の「リゾートホテル」以来です。昭和63年は、地上3階建て、延べ面積が約3,000㎡の計画でしたが、敷地が大きく作図が1階及び2階平面図(3階省略)だけでしたので、今年度はそれよりも小規模な2、000㎡~3、000㎡の規模と考えられます。
 また、昨年及び一昨年同様、平面図が三面出題されました。平成21年から6年間出題されていた「梁伏図」の出題がありません。答案用紙のスペースから、敷地面積は、東西45m~52m、南北35m~40m程度と考えられます。

課題の特色について、いくつかのテーマに分けて、分析してみます。
1.「リゾートホテル」とは。立地条件は。
 リゾートは行楽地全般を指し、リゾートホテルの大多数は、風光明媚で、余暇活動を楽しめる海岸・高原・山間などの景勝地に立地しています。 今年度の課題は、小規模であるが長期滞在が可能で、高齢者・障害者等の利用にも配慮した施設となることが予想されます。建築士試験では、良好な景観を活用した計画を要求するのが一般的で、今年度も、宿泊室や浴室及びレストラン・ラウンジなどの共用諸室は、できるだけ眺望に配慮した配置計画が求められます。また、環境と景観配慮の観点から、屋根は、勾配屋根となる可能性が高いと思われます。したがって、屋内又は敷地内の設備スペースの計画が限定されます。
 リゾートホテルの宿泊部門の延べ面積に対する比(収益部分の比)は、一般的に45~50%といわれており、建築士試験の限られた延べ面積の中で、どのように効率よく宿泊室を配置するかが、試験のポイントになると思われます。
 出題の背景としては、外国人旅行者の宿泊施設として、都市部でのホテル建設が進んでいますが、さらにリゾート地への観光客誘致がこれからの課題であり、「統合型リゾート施設」の法制化も検討されています。一方、日本人の国内宿泊旅行者数が低迷しており、従来からの家族旅行に加え、新たな顧客層の開拓のため、小グループ旅行や企業研修のほか、定年後のシニア世代などを対象とした長期滞在型のリゾートホテルも求められています。

2.斜面地を考慮した建築物の計画と地下1階平面図の要求から
 過去に「斜面地に建つ建築物」の出題例は平成8年の「景勝地に建つ研修所」があります。北側前面道路から10mが平坦で、敷地の中央付近が、水平距離25mで高低差4mという南下がりの傾斜地になっていました。高低差4mは、一般的な断面計画では1層分の階高に相当し、地下1 階・地上2階建ての建築物の地階部分の階高をこれに合わせるのが適切でした。つまり、地面に接地する階が2層あり、常識的な計画をすれば最下階は、天井高さの1/3以上は地面に埋まった計画となります。今年度は、建築物が何階建てなのかは明示されていませんが、要求図面が地下1階平面図、1階平面図、2階平面図となっていることから、この課題に近い敷地条件が設定されるものと思われます。
 なお、平成12年「世代間の交流ができるコミュニティ施設」では、水平距離40mで高低差1.5mという緩勾配の斜面地の条件でしたが、このような構成では、通常は地階にならないので、今年度の課題には該当しないと考えられます。
 また、建築物内部の1階の床に段差を設けて、階段やスロープで動線処理をする解答が一般的でしたが、どのような場合にも、施設内の床に段差を設けることは、バリアフリーの原則に相反するため、避けるのが賢明です。

3.「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に規定する特別特定建築物の計画
 バリアフリー法により、ホテルは特別特定建築物に指定されており、床面積の合計が面積が2,000㎡以上のものは「建築物移動等円滑化基準」に適合させなければなりません。また、建築士試験では、この最低基準を順守するに留まらず、さらに上位の「建築物移動等円滑化誘導基準」をも満たす計画が望ましいと考えられており、共用スペースだけでなく、客室のプランにも十分なゆとりのある計画が求められます。さらに、バリアフリーに関するガイドラインとして、「高齢者等の円滑な移動に配慮した建築設計標準」が平成29年に改正され、東京オリンピックを契機とした国際的な取り組みとして、一層のバリアフリー化が求められ、ホテルの車いす使用者用の客室の整備促進が望まれています。したがって、車いす使用者に配慮した客室の要求は考えておくべきです。

4. パッシブデザインを積極的に取り入れた建築物の計画
 昨年度の課題発表でも同様の注記がありました。パッシブデザインとは、「地域の気候風土に合わせた建物自体のデザインで、熱や光や空気などの流れを制御して、地球環境への負荷を極力すくなくするとともに、快適な室内環境を得る設計手法」と定義され、その不足分を機械的な手法(建築設備)で補うことです。したがって、自然採光、自然通風を十分に活用し、建築物の断熱性を向上し、開口部等の日射遮蔽に留意することがテーマの1つになります。
 昨年の問題文の主文では、「環境負荷低減のため、自然エネルギーを利用し、快適な室内環境が得られるような設計手法(パッシブデザイン)を積極的に取り入れるものとする」とし、設備計画について、「太陽熱、地中熱、井水、植栽等を利用するなどし、環境負荷低減に配慮する」ことや、「自然採光及び自然換気を積極的に取り入れる計画とするとともに、日射の遮蔽にも配慮する」という要求が示され、「計画の要点等」で、具体的に行った計画内容の説明が求められました。 
 したがって、今年度も、暖房・給湯への太陽熱利用、基礎ピットを利用したヒートチューブ・クールチューブ(アースチューブ)による暖冷房、井水利用、植栽、自然採光・自然換気 、日射遮蔽について、計画や記述に必要な知識を準備しておかなければなりません。

5.車両動線(車回し、車寄せ等)を考慮した外部空間の計画
 ホテルのアプローチには、送迎車両が1方向に進行して通り抜けられる「車回し」や、屋根・庇の付いた乗降スペースである「車寄せ」を設けるのが一般的です。ただし、建築士試験では、敷地の大きさが限定されるため、アプローチ部分に余裕のあるスペースを割り当てることのむずかしい場合が多いので、歩行者の安全を確保したコンパクトな計画が求められます。


こんにちは。TAC講師の清田ですせいた


先日、水曜夜にTAC新宿校にて、2級建築士設計製図試験の「課題の概要説明会」を実施いたしました

おかげさまで多くの受験生が集まり、教室もほぼ満杯で、皆さんとても真剣に話を聞いておりました
(私も熱く語っております笑)

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さて今週末におきましても、同様にTAC講師がズバリ解説する「課題の概要説明会」を下記にて実施致します

気になる、当年度課題について、そもそも設計製図試験てどんな試験?どうすれば受かる?TACの講座はどう?合格率は?などなど、皆さんが今不安に思っていることを、一気に解決致します


予約不要、参加費無料、しつこい営業ナシ笑、ですので是非、お気軽にご参加ください。

7/8(土)TAC 池袋校11:00~12:30
TAC 名古屋校
7/9(日)TAC 渋谷校14:00~15:30

※7/9(日)渋谷校は、清田がズバリ解説いたします
※遠方の方、ご都合つかない方のために、説明会の動画を後日、TACのHPにアップする予定です






せいた講師のセイタです。いろいろありまして、大変ご無沙汰しておりました


さて、気づけば来週の6/7(水)には、平成29年度 2級建築士 設計製図の課題が発表される予定です


今年の課題は、これまでの傾向からすると「木造課題」で専用住宅だと思うのですが、実際はどうなんでしょうね
店舗併用住宅の可能性もありますね


予め分かっていればいいのですが、こればかりは受験生の皆さんと同様、7日の課題発表を待たないと分かりません

ここでいきなり「鉄筋コンクリート造」の課題が出たら、相当びっくりしますが(笑)

とにかくドキドキしながら7日を待ちましょう



課題発表の当日、井澤先生に今年の課題についての「速報」を本ブログで出していただきます

(残念ながら、セイタは当日朝から終日、2級の直前演習ゼミの講義をしているもので。。。スミマセン




H28-1Q製図課題


こんばんは、TAC建築士講座の神部です。 かんべ

 今年度の設計製図課題は、「子ども・子育て支援センター(保育所、児童館・子育て支援施設)」と発表されました。
 課題の特色について、いくつかのテーマに分けて、分析してみることにします。

1.「子ども・子育て支援センター(保育所、児童館・子育て支援施設)」とはどんなイメージか
 「保育所、児童館・子育て支援施設」と示されていることから、「保育所」、「児童館」、「子育て支援施設」の3つで構成される複合施設です。ただし、それぞれが完全に独立した施設ではなく、「保育所」と「児童館・子育て支援施設」とが併設されたものと解釈するのが妥当で、児童館を子育て支援の連携施設とする「連携型地域子育て支援拠点」に該当すると思われます。

 皆さんもご存じのとおり、現在のわが国では、共働き家庭が増加し、地域のつながりが希薄となり、多くの待機児童がいることや子育て家庭における育児不安や社会的な孤立感から、子どもの成育をめぐる環境は大きく変化しています。

 そこで平成27年4月より「子ども・子育て支援新制度」が施行されました。
 子ども・子育て支援とは、地域や社会が保護者に寄り添い、子育てに対する負担や不安、孤立感を和らげることを通じて、保護者が子どもと向き合える環境を整え、子育てや子どもの成長に喜びや生きがいを感じることができるような支援をしていくことです。

 どのように実施していくかといえば、国等が保育所・幼稚園・認定子供園などの施設への教育・保育給付を行う制度で、既設の保育所や児童館の遊戯室や、育児相談室を使って、例えば、お誕生会などの各種イベントを通じて、地域の親子が交流し、育児相談もできるような集う場を提供するのです。

 子育て家庭の負担を軽減するために、一時的な託児を行う場合もあります。
 主な事業の内容は、次のとおりとなっています。
①「親子の交流の場の提供と交流の促進」
②「子育て等に関する相談、援助の実施」
③「地域の子育て関連情報の提供」
④「子育て及び子育て支援に関する講習等の実施(月1回以上)」

 すなわち今年は、「保育所」と「子育て支援を行う児童館」が一体となった「子ども・子育て支援センター」という1つの地域の拠点施設が出題されたということです。
 ただし、保育所は、厳しいセキュリティが求められるのに対して、児童館は自由に子供が出入りする施設ですから、それぞれ部門は明確に分離する必要があります。

2.保育所と児童館
 保育所は、児童福祉法で定められた基準による認可保育所と認可外保育所があります。いずれも保育所と呼ばれるのですが、試験においては、認可保育所を指していると思われます。したがって、主に、0歳(乳児)、1歳から5歳の幼児を対象とし、乳児室やほふく室、保育室や遊戯室の設置、さらに屋外遊技場(園庭)を設けることなどが必要になります。試験対策としては、入所人数に応じた各諸室の規模は、しっかり押さえておかなければなりません。

 児童館は、児童福祉法による児童厚生施設の一つで、子どもたちの健全育成を目的とした遊びを提供し、健康を増進し、情操を豊かにするための施設といえます。ですから、集会室や遊戯室、図書室はもちろんですが、その他運動機能や文化・教養に関する活動施設が整備されています。今回出題の児童館は、児童センターと比べ、小規模なものと考えてよいと思います。

 児童館については、学校のある日は、昼間閑散としていますから、昼間は親子が遊びに来て、夕方からは学童が遊びに来るといった施設の利用形態がイメージできると思います。

3.保育所と児童館のゾーニングと立体構成
 先に述べたとおり、保育所と児童館ではセキュリティ管理に大きな差があります。また、利用時間帯に差があり、保育所が午後7時まで利用できるのに対して、児童館や子育て支援は、原則午後5時頃までですから、各部門ごとにゾーニングされ、管理上も明確に区画されていなければなりません。

 したがって、主要なアプローチ及び玄関は、分離して設けることも考えられるのですが、2つを完全に独立した併設施設とすることは考えにくく、屋内で連絡できる計画が求められると思われます。平成27年の出題のように、共用のエントランスホールを介して、各部門にアクセスする場合も考えておかなければなりません。

 階の構成は、保育所は、災害時の避難に配慮しなければなりませんし、園庭がありますから、建築物の1階、又は1階と2階に保育所が設置され、2階と3階が児童館となる構成が最も妥当です。

4.「要求図面」から
 本年の課題は、昨年同様、平面図が3面出題されました。昨年と今年は、平成21年から6年間出題されていた「梁伏図」の出題がありません。答案用紙のスペースの関係から、平成23年の「平面図3面+梁伏図」の課題に比べて梁伏図がない分、敷地面積は東西45m~52m、南北35m~37m程度のやや大き目の敷地となることが考えられます。

 その場合、建築物の規模は、地上部分で2,500㎡程度であることが容易に推定できます。
 また、要求図書は平面図3面ですが、地上3階建てとは銘打たれておりません。つまり、地階の設備機械室が許容される課題となる可能性もありますので、地階がある場合の1階平面図での表現の仕方やドライエリアの計画、設備配管の計画などを理解しておく必要があります。 


5.「パッシブデザインを積極的に取り入れた建築物の計画」
 パッシブデザインとは、「地域の気候風土に合わせた建物自体のデザインで、熱や光や空気などの流れを制御して、地球環境への負荷を極力少なくするとともに、快適な室内環境を得る設計手法」と定義され、その不足分を機械的な手法(建築設備)で補うことです。
 したがって、自然採光、自然通風を十分に活用し、建築物の断熱性を向上し、開口部等の日射遮蔽に留意することがテーマの1つになります。

6.「地盤条件を考慮した基礎構造の計画」
 昨年の出題では、「基礎免震構造」の採用が指定され、断面図に図示し、計画の要点等でその説明が求められました。今年度は要求内容が不明ですが、問題文の建築物欄などの要求によって、地盤の耐力が劣るため、くい打ちなどを必要とする場合や、昨年と同様に免震構造の採用を解答者が判断することなどが考えられます。
 したがって、一般的な直接基礎以外の基礎形式や、免震層の構成についての知識も備えておくことが求められます。

7.「天井の高い居室における天井等落下防止対策の考え方」
 東日本大震災での落下事故の多発から、脱落によって重大な危害を生ずる恐れのある天井(特定天井)に関する法令が定められ、その構造方法が示されています。
 縮尺1/200の断面図で構造を図示することはむずかしいのですが、計画の要点等の中に図示する欄が設けられることも考えられるため、概要を把握し、説明図を描けるようにしておく必要があります。また、ここで、把握しておかなければならないのは、要求室の中に、必ず天井の高い居室があるということです。

 今週からTAC各校で始まるガイダンスにおいて、対策課題と答案例をご紹介したいと思いますので、是非ご参加ください。

◆◇◆「課題の概要説明会」+学科試験のポイント 同時開催◆◇◆
 ●日時 7/28(木) 18:30~21:00
 ●場所 TAC渋谷校・横浜校

 ●日時 7/31(日) 14:00~16:30
 ●場所 TAC新宿校・八重洲校・梅田校

 ●日時 7/31(日) 14:00~16:00 (名古屋校は「課題の概要説明会」のみ実施します)
 ●場所 TAC名古屋校

※参加無料・予約不要
 是非、お越しください!

こんにちは、セイタですせいた

いよいよ、明日、平成28年度 2級建築士の設計製図試験の課題が普及センターより発表される予定です

順当な順番からすると昨年はRC課題でしたので、今年は木造課題ということになるでしょう



ただ木造課題といっても、専用住宅なのか、店舗併用住宅なのかなどによって計画のポイントは異なってきますので、今から我々講師陣もドキドキです


また、一昨年の木造課題では、作図すべき図種として「矩計図」に代わって「部分詳細図」がはじめて出題されました。

↓一昨年のときの部分詳細図の一例

部分詳細図とは01


今年もやはり「部分詳細図」の出題となるのでしょうか??

いろいろな妄想が止まりませんが、とにかく明日の発表を待ちましょう


さて、TACでは明日の課題発表を受け、今年の課題について本ブログにて「速報」をお伝えする予定です。
お楽しみに

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