井澤ですいざわ


■問題1
障壁は、一般に、音の回折現象によって、低周波音よりも高周波音の遮断に有効である。(一級環境・設備:平成17No.8

■問題2
単一材料からなる壁体の遮音性能について、質量則によれば、周波数が低いほど、壁の透過損失は大きくなる。(一級環境・設備:平成22No.8改)

――――――――――――――――――――
■解答
問題1 正
問題2 誤


■問題1について
音の回折現象とは、音が伝搬途中にある障害物の裏側に回り込む現象を言います。
一般に、高音よりも低音のほうが大きく回折する傾向があります。
kaiseki
このため、騒音防止のために設ける障壁は、高音の遮断には有効ですが、低音の遮断にはあまり有効ではありません

■問題2について
質量則は、No.36でも扱いました。
質量則によれば、周波数が高い高音のほうが、壁の透過損失は大きくなります。
周波数が2倍になると、透過損失の値は約6dB増加します。
透過損失が大きいということは遮音性能が高いことを意味しましたね。
したがって、周波数が高い高音ほど、壁の遮音性能は高くなります。
逆に、低音のほうが、壁の遮音性能は低くなります

問題1と問題2は、ズバリ「
低音の処理は難しい」ということです。
ペアで覚えておきましょう!