井澤ですいざわ

■問題
常時作用する土圧は、構造体と土の状態が同じ条件の場合、受働土圧より主働土圧のほうが大きい。(一級構造:平成27No.21

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■解答
 誤。受働土圧 > 静止土圧 > 主働土圧。
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「土圧」とは、言うまでもなく、土が壁(地下外壁や擁壁)を押す圧力です。
主語は「土」です。
次図では、擁壁は少なからず左に移動してつり合います。

retaining wall

このとき、擁壁の右側の地盤の土圧は、土が擁壁を押す「
体的」な土圧なので「主働土圧」といい、
擁壁の左側の地盤の土圧は、土が擁壁から押される「け身」の状態の土圧なので「受働土圧」といいます。
また、建築物の地下外壁などで、壁と土が静止状態にある土圧を「静止土圧」といいます。

主働土圧と受働土圧の特徴を表にしましたので、理解した上で大小関係のポイントをしっかり覚えましょう。
 

主働土圧

受働土圧

土が壁を押す「体的」な土圧。

土が壁から押される「け身」の状態の土圧。

壁が土から離れる側に移動したときの土圧。

壁が土に向かって移動したときの土圧。

土が緩む状態。

土が圧縮され、締まり、盛り上がる状態。


―――――――――ポイント―――――――――
 受働土圧 > 静止土圧 > 主働土圧
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主働土圧は、土が「主」で壁を押す土圧のほうであり、壁が土から離れる側に移動するので、「暖簾に腕押し」状態であり、主働土圧のほうが小さいと言えます。