TAC建築士講師室ブログ

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高炉セメント

井澤ですいざわ

■問題1
計画供用期間の級が標準の場合、水セメント比の最大値は、普通ポルトランドセメントにおいては、65%とする。(一級施工:平成6年No.11
■問題2
コンクリートの化学抵抗性を向上させるために高炉セメントB種を用い、その水セメント比の最大値は、60%とした。(一級施工:平成12No.11
■問題3
水密コンクリートの調合において、普通ポルトランドセメントを用いる場合の水セメント比を55%とした。(一級施工:平成26No.10

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■解答
 問題1、2 正。
 問題3 誤。水密コンクリートの水セメント比は50%以下。
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はじめに、水セメント比は、水/セメントの質量比です。

一般に、AB比と言えば、A/Bです。
・セメント水比は、セメント/水
鉄骨構造で学習する幅厚比、径厚比も同様です。
・幅厚比は、幅/厚
・径厚比は、径/厚

水セメント比については、次表の値を覚えましょう。

ポイント

 

水セメント比

普通
コンクリート

普通ポルトランド
セメント

65%以下

混合セメントB種
(高炉セメントB種・
フライアッシュ
セメントB種)

60%以下

水密コンクリート

50%以下

 

覚え方
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店 の向こうからバーゲンの群れ
水セ 65   B種   60
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水密コンクリートはスイミング
         水密  50
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「水密コンクリート」は、高い水密性や漏水に対する抵抗性が要求されるコンクリートで、水槽・プール・地下室などの水圧を受ける部位などに用いられます。

井澤ですいざわ

■問題1
高炉スラグを利用した高炉セメントを構造体コンクリートに用いることは、再生品の利用によって環境に配慮した建築物を実現することにつながる。(一級構造:平成21No.30
■問題2
アルカリ骨材反応の抑制対策として、高炉セメントB種を使用することは有効である。(一級施工:平成19No.11
■問題3
セメントミルク工法に用いるセメントについては、地下水に硫酸塩を含む場所であったので、高炉セメントを使用した。(一級施工:平成24No.7)
■問題4
コンクリートに使用するセメントを普通ポルトランドセメントから高炉セメントB種に変更したので、コンクリートの材齢によるせき板の最小存置期間を、普通ポルトランドセメントの場合の最小存置期間より長くした。(一級施工:平成22No.9)

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■解答
 問題1~4まで、すべて正
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高炉セメントとフライアッシュセメントを混合セメントといいます。
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■高炉セメント
 普通ポルトランドセメントの一定量を高炉スラグ(製鉄中のカスの微粉)に置換したセメント。
■フライアッシュセメント
 普通ポルトランドセメントの一定量をフライアッシュ(石炭燃焼後の灰)に置換したセメント。
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高炉スラグ、フライアッシュの混合量が多くなるにつれて、A種、B種、C種と呼ばれ、B種が多用されています。例えば、高炉セメントB種では、普通ポルトランドセメントの3060%が高炉スラグに置換されます。

したがって、高炉セメントB種、フライアッシュセメントB種は、
普通ポルトランドセメント(以下、単に「セメント」という)の量が減るため、セメントの欠点が解消され、逆に、セメントの利点が減少します。

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ポイント:高炉セメントB種、フライアッシュセメントB種の特徴

①省資源・省エネルギー
高炉スラグはカス、フライアッシュは灰です。つまり、再生品・副産物ですから省資源・省エネルギーです。

②アルカリ骨材反応が抑制される。
アルカリ骨材反応とは、「セメント中のアルカリ金属」と骨材中のシリカが反応してシリカゲルができ、吸水膨張してコンクリートがひび割れする現象です。
セメント量が減れば、反応するアルカリ金属が減るので、アルカリ骨材反応が抑制されます。

③化学的抵抗性が大きい。
アルカリ骨材反応の抑制が、まさに化学的抵抗性が大きいという例です。
また、地下水にコンクリートの硬化を阻害する硫酸塩が含まれる場合にも有効です。

④中性化速度は速くなる(欠点)
セメントはアルカリ性のため、中性化を防ぐ利点があります。
セメント量が減れば、アルカリ性が低下し、中性化速度は速くなります。

⑤せき板の最小存置期間は長くなる(欠点)
セメント量が減れば、コンクリートの硬化は遅くなります。したがって、せき板の最小存置期間は長くなります。
なお、A種は、混合量が少なく、最小存置期間は普通ポルトランドセメントと同じです。
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