TAC建築士講師室ブログ

TAC建築士講座の講師・スタッフのブログです。

3階に住宅のある貸店舗

井澤ですいざわ

本日、2級建築士設計製図試験の課題が発表されました。
課題から読み取れることを速報としてお伝えします。

■平成28年2級建築士「設計製図の試験」の課題
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景勝地に建つ土間スペースのある週末住宅(木造2階建て)
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要求図書については、1階平面図兼配置図、2階平面図、立面図、断面図、2階床伏図兼1階小屋伏図、部分詳細図(断面)、面積表、仕上表及び計画の要点等とする。
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■課題の分析

1.「木造2階建て」について
 昨年がRC造であったことから、予想どおり、今年は木造2階建てでした。
 木造2階建ても、要求図書の種類も、平成26年試験とまったく一緒です。
 この文末に平成26年本試験のTACオリジナル答案例を掲載しましたので、作図量、作図内容等の参考にしてください。


2.週末住宅とは
 一言で言えば「別荘」です。週末などの余暇に利用する目的で建てられる住宅です。

3.「景勝地に建つ」から読み取るべきこと

 週末住宅は、一般に、高原や海岸沿いなどの景勝地に建てられます。
 課題では、必ず良好な景観・眺望に配慮した諸室の配置が求められます。


4.土間スペースを何の用途に使うか?
 「土間」とは、屋内の床を張らず、土のまま、又は、たたき、石敷、コンクリート打ち、タイル張りなどとした部分をいいます。
 一般的に、玄関と連続した空間とすることが多いですが、リビングと連続した空間、屋外と連続した空間とする計画も十分に考えられます。

 この土間スペースを何の用途に使うか?
 趣味のための次のような用途が第一に考えられます。
 ・アトリエ
 ・アウトドア用品置場
 ・趣味の作業場 等
 特殊な用途のための土間スペースはあまり考える必要はありません。そうであれば、その旨、発表課題の中で明記されるべきですから


5.要求図面について

 「部分詳細図(断面)」とは、「部分的な矩計図」です。次の3つの部分の部分詳細図の練習が不可欠です。
 ・基礎部分
 ・2階床組部分
 ・屋根・軒先部分

6.近年の出題傾向を踏まえた受験対策を
 近年はサプライズがなくオーソドックスな出題となっています。
 消化しきれないほど多くの課題を解くことははっきり言って遠回りです。
 厳選された良問をしっかり消化すること。
 これが合格の秘訣です


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以上、課題から読み取れることを速報としてお伝えしました。

■TACの2級建築士設計製図コースについて
 TACの2級建築士設計製図コースは7課題です。
 厳選された課題であれば7課題で十分合格できます。
 その証拠に直近の木造課題である平成26年試験では、教室講義の合格率は76.0%(全国合格率は55.3%)でした。
 無理なく無駄なく合格しましょう!

 試験対策としては、まずは作図です。
 お申込みをされるとすぐに作図練習セットで学習することができます。設計製図試験から受験される方は今から作図練習をしておきましょう。
 講義の中でも作図の仕方から丁寧に指導していきますので、初受験の方も安心してください。

TAC建築士講座のHPはこちらです。
http://www.tac-school.co.jp/kouza_kenchiku/kenchiku_crs_2kyu_16seizu.html

一緒に2級建築士を勝ち取りましょう!

■参考図面
以下は、平成26年本試験「介護が必要な親(車椅子使用者)と同居する専用住宅(木造2階建)」のTACオリジナル答案例です。参考にしてください。
H26-2Q

井澤ですいざわ

本日(6月10日)、2級建築士設計製図試験の課題が発表されました。
課題から読み取れることを速報としてお伝えします。

はじめに

TACの2級建築士設計製図コースは7課題です。
厳選した課題であれば7課題で十分合格できます。
その証拠に昨年の教室講義の合格率は76.0%(全国合格率は55.3%)です。
無理なく無駄なく合格しましょう!

試験対策としては、まずは作図です。
申込みをされるとすぐに作図練習セットが届きます。設計製図試験から受験される方は今から作図練習をしておきましょう。
講義の中でも作図の仕方から丁寧に指導していきます。

平成27年2級建築士「設計製図の試験」の課題
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3階に住宅のある貸店舗
(乳幼児用雑貨店)
〔鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建〕
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要求図書については、1階平面図兼配置図、2階平面図、3階平面図、立面図、断面図、面積表、仕上表、主要構造部材表及び計画の要点等とする。
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課題の分析

1.鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建

 近年の2級建築士設計製図試験では3年ごとにRC造が出題されており、その順番どおりの課題でした。木造とは作図の方法や計画の方法が大きく異なりますので、十分な対策が必要です。
 3階建であることと、答案用紙のサイズの制約から、まずは縦長の敷地が考えられます。
 要求図書はRC造の出題として標準的です。

2.過去の出題

 平成21年課題「商店街に建つ陶芸作家のための工房のある店舗併用住宅〔鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建〕」が今年の課題を考える上で参考になります。
 最後に答案例を添付しますので、参考にしてください。
 今年はこれに「計画の要点等」の記述が加わるため、作図のスピードアップが欠かせません。

3.「3階に住宅のある貸店舗」から読み取れること

(1)店舗併用住宅ではない
 2級建築士設計製図試験でよく出題される「店舗併用住宅」ではないことが分かります。
 すなわち、店舗と住宅を屋内で行き来できるようにはしないということです。
 なぜなら、「貸店舗」なのですから、店舗の経営者と住宅の住人は別人です。

(2)1階と2階は同一店舗なのか、別店舗なのか
 「貸店舗」でありながら「乳幼児用雑貨店」と限定している点はあまり気にしないことにして、業種を限定しているということは、1階と2階は同一店舗である可能性が高いと言えます。競合店舗に1、2階を別々に貸すことはあまり考えられないですね。

4.「3階に住宅」から読み取れること

(1)住宅へのアプローチ
 3階の住宅へのアプローチとしては、住宅専用の階段とEVを設けるのが一般的でしょう。その中で、住宅の玄関ホールが1階にあり、そこで靴を脱ぐ場合と、玄関ホールが3階にある場合の両方が考えられるでしょう。
 いずれにしても、住宅用の階段とEV、店舗用の階段が必要になります。店舗用のEVもまず必要になるでしょう。
 したがって、計画する上で、縦動線の位置およびスペースの確保がたいへん重要になります。

(2)住宅の規模
 答案用紙のサイズの制約から、住宅部分の床面積は100㎡程度(2LDK~3LDK)が上限になります。

(3)間取り
 2LDK~3LDKが要求されると、居室の日照確保のために、階段、EV、水まわりの配置が制約を受ける可能性が高くなります。

(4)採光の確保は容易
 住宅が最上階ですから、法的採光の確保は容易でしょう。

5.「乳幼児用雑貨店」から読み取れること

(1)2階店舗用EVの設置
 計画上最も大きな点は、ベビーカーの利用に配慮して、EVを設ける可能性が高いということです。商品の搬出入のためにも必要です。

(2)バリアフリー
 スロープ、多目的便所の設置が必要になります。

(3)乳幼児用雑貨店としての所要室
 乳児、幼児を対象とした雑貨店であるため、授乳室、湯沸室、倉庫、事務室も必要になります。

(4)駐車スペースは?
 住宅用、店舗利用者用、店舗サービス用が想定されます。敷地の制約から「近隣の駐車スペースを利用し、敷地内に計画しなくてよい」という出題が最も考えやすいのですが、1~2台程度の駐車スペースの計画は練習しておく必要があります。
 子供を自転車に乗せて来店する方のためにも駐輪スペースの設置も必要になります。

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以上、課題から読み取れることを速報としてお伝えしました。
TAC建築士講座のご案内はこちらです。
http://www.tac-school.co.jp/kouza_kenchiku.html
一緒に2級建築士を勝ち取りましょう!

平成21年「商店街に建つ陶芸作家のための工房のある店舗併用住宅」のTACオリジナル答案例です。参考にしてください。
H21_2Q

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